こんにちは
生活のタネをお届けするタネ屋のマルです
今日も私見たっぷりのタネをお届けします。
今日はこれからの時期に気になるニキビや吹出物についてです。
情報の大半はアクネ菌やカビ類などの原因菌側からのものですが、今回のカラダハックではカラダ側の仕組みからニキビについて考えてみます。
ニキビは面皰とも書き、医学的には尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)の俗称になります。
でもニキビのほうがわかりやすいのでここではニキビで進めていきます。
ニキビができる要因は
- 角化以上で毛穴が詰まる
- 皮脂の分泌過多
- 原因菌の存在
今回は免疫側からニキビの生理を観察してみたいと思っていますので、話の主は3番目の原因菌との関係になっていきます。
カラダ側から観察する前に原因菌について少し、、、
顔ニキビの場合は有名な「アクネ菌」ですが、これからの時期に多くなる胸や背中のニキビ(特に女性が多いのですが)や頭部の脂漏性皮膚炎やフケはカビの仲間で酵母菌である「マラセチア菌」になります。
このマラセチア菌かどうかは皮膚科に受診すると簡単にわかります。
治療はアクネ菌が抗菌剤が主に対して、マラセチア菌は水虫などに使う様な抗真菌薬という違いもあります。
大きさも特徴も少し違ってきます。
大幸薬品HPより引用
病原体:ウイルスと細菌と真菌(カビ)の違い|これからの衛生管理 | 大幸薬品株式会社
原因菌の種類は違うもののニキビや吹き出物に関しては毛穴でほぼ同じ反応をする菌たちですので、問題はカラダ側自身になります。
そもそもニキビの原因菌であるアクネ菌やマラセチア菌は皮膚の常在菌で腸内細菌の大半を占める日和見菌と同じ様な存在です。
なので腸内同様カラダ側の異変や表面のバリア状態の変化によって常在菌のパワーバランスが変わったり、菌が元気になりすぎてしまったりしてしまうだけですので。
一生懸命殺そうと思っても弱める事以上は不可能なんです。
では、カラダですよね。
まずはカラダのバランスです。不可抗力ではありますが、成長期のホルモンバランスの変化は皮膚の角質や分泌する脂質の偏ってしまい引き金になってしまいます。
同様な事が大人でもありますね。女性なら生理周期によるホルモンバランスの変化は避けられませんね。これは重要な事ですのでマイナスでもプラスでもなく特徴です。
問題は、疲労や生活の偏りからくる体調の異変でホルモンや自律神経の微妙な偏りが成長期のホルモンや免疫力までバランスを変えてしまうんです。
要は肉体疲労ではない疲労感を生み出している脳神経疲労や副腎疲労が表皮の状況を変えてしまいます。
そうなると菌が暴れ出してしまうんですね。
また、もう一つ原因があります。
洗い過ぎです。
綺麗に保つのが重要なのは間違いないのですが、洗い過ぎから皮脂まで落とし過ぎてバリアが弱まったり、補充のために皮脂が過剰に分泌を始めてしまう事です。
ニキビや吹き出物は、非常に不愉快な存在ですが、カラダの声や状況を浮き彫りにしてくれる貴重な存在でもあるかもしれません。
でも、菌が暴れて増えるとどうしてニキビができるの?
という部分が今回のテーマの免疫になります。
傷口でもそうですが、菌が体内に侵入しない様に入り口で戦ってくれているのが免疫です。
毛穴も同様で、その場所に菌が増えてくるとカラダは感知します。
スゴイ仕組みだな〜と感心してしまうんですが。
そこで真っ先にやってくるのが白血球の一つである「好中球」
これが今回の主役です。
下の図の黄色い丸のところ
下記の本が分かりやすいので引用させていただきました。
カラダに侵入してきているものはよく登場するマクロファージが主役になりますが、
ニキビは毛穴に好中球がいっぱい集まってきます。
何をするか?菌を殺すんです。
でもどうやって?
ここはマクロファージと似た性質があり、相手を包み込んで自滅する事で相手を抹殺しいきます。
この取り込んで死んでいった死骸が私達の目に見える「膿」です。
傷口なども同じ原理です。
なので膿が悪者ではなく、そこにいっぱい菌がまだ居る可能性がある事を示す形跡なんです。消毒は膿をやっつけるイメージがあるかもしれませんが、実は、まだ居るだろう生きていて目に見えない菌を抑えたいということなんです。
どちらにしても気持ちのいいものではないでしょうけど、、、
でもその菌はもともと共存していたものでもあり、菌を増やす原因は私達の中にあります。
10年前ぐらいまでなら、ニキビは抗菌とビタミンという感覚があったかもしれませんが、現在は原因がよりわかってきていますので、外側のお手入れの加減とカラダのメンテナンスのバランスをしていくことの方が近道かもしれませんよ。
赤く炎症が起きるのは、好中球と共に菌を攻撃する物質も一緒に毛穴に投入されるため、それが組織に炎症を起こさせ、更に免疫物質を呼び込んで回復させようとしているプロセスでカラダ的には直そうと必死に戦っている場所であるという状況です。
近年のニキビの患者さんを見ていても、3け月でも若干小さくなる程度で半年経っても変わらず、という人も珍しくないです。
クスリもドンドン進化はしていますが、私たちのカラダ側の状態が変わらない治らない様な症状になってきています。
それだけ私たちのカラダと社会との関係性が変化している事がこのニキビからも伺えます。
これから暑さも湿度もますます。
疲労感のメンテナンスに必要性と、汗の不安からの洗い過ぎに注意しながら過ごしていただくのが先ずは綺麗な肌を保つ第一歩になります。
肌のメンテナンスは疲労の処理にかかっている!といったキャッチフレーズがこれからの主流になるかもしれませんね。
度々登場のこの漫画「はたらく細胞」ですが、
ここにもニキビの回があります。たしか映像の方は無かった様な気がします。
今回の主役【好中球】はこの漫画の主役?赤血球を助ける様に登場する白い戦士(表紙)でこの漫画のもう一つの主役的存在でもあります。
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アクネ菌と戦う様子が描かれてますね。
キャラクターで表現されると楽しく理解できます。これも日本ならではの楽しみ方です。
今回のテーマ「」はいかがでしたか?
新しいタネの発見につながっていったらうれしいです。
タネ屋のマル
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丸山 泰弘
薬剤師、健康・レストランのコンサルタント
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