こんにちは
生活のタネをお届けするタネ屋のマルです
今日も私見たっぷりのタネをお届けします。
お盆直前にお盆て何だろう?と一回見直してみたいと思います。
お盆や正月を見直すと、最近掲載している古代の日本から現在に至る日本人の特徴の一部が垣間見れるかもしれません。
また最近書いてきた事にも関連性がありますので併せて眺めてみてください。
正月は二回あった?盆は裏正月
お盆は正月の裏側にあたります。
下の図を見ていただけると少しイメージが湧くかもしれません。
旧暦と新暦でズレはありますが、現在残っている行事としては、オレンジ色の正月が新暦での小正月で、来週のお盆は旧暦のお盆にあたります。
古くは正月が二回あったとも言われ、現在の正月と盆の事になります。
因みに正月には元旦の大正月と1月15日の小正月があります。小正月は先祖崇拝や供養になります。
お盆は特に イメージが湧きやすいのですが、古くから先祖崇拝という意味があり、これは仏教の習慣ではなく、古神道からくる風習になります。
現在はお墓に迎えに行くなどから仏教の行事の様に扱われていますね。
この先祖崇拝は元は神道になります。
この先祖崇拝の対として正月と盆がセットと考えるのが自然かもしれませんね。
時期としては1年を陰陽で分けると、お盆で陽から陰の時期に移っていくタイミングになり生→死で、正月が陰から陽の時期に移っていくタイミングで死→生という世界観が背景にあります。
ここまでみても、神道と仏教がミックスされています。最近よく書いている神仏習合になりますね。
一方、お正月なんですが、単に新年というだけではなく、お盆同様いろんな作法が残っていますね。旧暦では歳神様を迎えるという思想がありますね。皆さんに分かりやすいものの一つが恵方巻きの恵方ですね。向かっている神様は、八王子の回でご紹介した牛頭天王の妃である頗梨采女(はりさいじょ)の別名歳徳神(としとくじん、とんどさん)になります。古事記で言えば素戔嗚の妃である櫛稲田姫にあたります。八王子と王子からみえてくるもの - 薬剤師が語る 生活のタネこれで神社で有名なのが穴八幡宮になりますね。一陽来復のお守りですね。
勿論、先祖崇拝という側面も重なります。
正月と盆は神世(かみよ)と現世(うつしよ)との境い目を行き来している三種の神器でいう鏡の世界のように捉えていた様に感じます。
別の世界というより一つの世界という様に受け止めていたのでしょうか。
お盆の語源
お盆の語源は「盂蘭盆会 」という仏教の習慣がもとと言われていますが、これはお釈迦様を奉るものですので懐疑的な意見もある様ですね。
私は「盆」とい単語に注目してみました。
盆というのは、先祖供養の場合、供物をのせますね。
柳田國男氏によれば、日本では古来「窪んだ物、カプセル状の物、ぴらぴらしたもの」に魂がつくとされ、お盆の名称も、いわゆるトレイを「魂の寄るもの」として使ったための呼称ではないかとの見解。
また、吉野裕子氏によると、日本では、古く「盆」や「穴」など窪んだものを東西の中心という意味合いがあって横軸の中枢という意味もあったとのことです。上記の穴八幡宮など穴がつくお稲荷さんなどもよく目にします。
自分のいる所(場所)を中心 現実的な家や土地が栄えるという願いが込められてるかもしれません。
八幡神社と稲荷神社から日本人の生き方を感じ取る - 薬剤師が語る 生活のタネ
こう見ると元々が何かというより、仏教・神道・山岳信仰・陰陽五行などのいろんな宗教や信仰が組み合わさって融合しながら、先祖供養・崇拝という視点でまとまってきた様にも見えます。
ブレンドされたマイルドな宗教観
このように現在に残されているものと古くにあったものを眺めてみると、日本人は独特な世界観や概念があるように感じます。
今回のお盆から伺える特徴は
「外の文化を自然に取り込み、自らの文化の中に上手く溶け込ませ、融合する事で時代に調和させてきた」
簡単に言えば、「日本人はブレンドされたマイルドなものを好む」
神仏習合がその象徴敵要素かもしれません。
明治維新後の廃仏毀釈で古神道を復活させ文化をパーツ毎に分断する行為が対立や排除という意識を生み出してきた可能性も否定はできないかもしれません。
また、お盆から下の様な日本人の特徴が伺えます
・型(カタ)として継承する
・事象をシンプルに抽象的に統合していく
・抽象化したものをデザインに置き換える。(家紋・紋様・レイアウトなど)
・外の世界観を取り込む
・あわい、あいまい
・柔軟性
現代の西洋文化の軸の中では真逆の様な特徴かもしれません。
天皇の即位やオリンピックを前に、日本も世界の大きな変化の渦の中にいるのですが、変化という中に入ったり、目の前にすると、
過去を復活させたい!だったり、逆に過去を全部捨てて前へ!と極端な思考が飛び出してきます。
でも、日本人が変化の中で通ってきた道を振り返ってみると、特定の何かの復活や分断する事ではなく、外からのものを柔軟い取り込み、ブレンドしながら全体として統合する方向が、前進力や調和を生み出していくように伺えます。
お盆も正月もそうですが、核家族化からお墓の問題やお寺との関わり方や土地や家の所有というもの自体が壁に突き当たっている状況の中で、日本人ならではの、伝統というものの残し方や伝え方や世界観の構築が2020年前後で自然と発生していきそうな気もしています。
タネや的視点でみると
私達のカラダの変化を経験する時に、過去に想いを残してしまったり、時間を先取りしようとしたり、都合の悪いものを排除しようとすると、必ず時間のズレが生じます。
神経は体内時計を狂わせ、免疫機能は自分とそうでないものの認識がズレ、細胞は周期が異常になります。
時間は常に「今」でしか調整できません。
流れの中で、「今」の自分にポジションを持っていくしかありませんね。
お盆という先祖供養という側面と、これからくる平和の祭典が日本人に又は、日本人が世界にできる最高のおもてなしは、
自分の先祖を辿っていけば、世界中の人は親戚になってしまいます。
今、自分がここにいるという連鎖はご先祖様がいてはじめて成り立ちます。
今生きている自分(肉体も含め)を大事にする事が自分を生み出してくれたご先祖様への一番大事な供養で、家族のみならず、周囲との関わり(仁徳)もご先祖様のお陰です。そう言う視点でライフスタイルを日本人らしいデザインに落とし込めたら、ご先祖のみならず、後世への贈り物になります。
代々の土地やお墓を守ることは今いる人の重責で大変な事でもあり、それによっての恩恵もあるでしょう。
その中でも先祖供養は自分の生活を整える時間としての側面でも捉えてみるのがより日本人らしさが出て来るのでは?と感じています。
やや教条的はありますが伝統の継承が海外から来ている方々へも最高のおもてなしとして繋がればとの願いを込めて。
今回のテーマ「お盆」はいかがでしたか?
新しいタネの発見につながっていったらうれしいです。
タネ屋のマル
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丸山 泰弘
薬剤師、健康・レストランのコンサルタント
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