こんにちは
生活のタネをお届けするタネ屋のマルです
今日は終戦記念日に平和への願いとして
麒麟と桐紋の意外な相関
変なタイトルですが、先日麒麟を思い浮かべた時、何故か桐紋が気になってしまい、なぜ?と思いながら調べてみると事にしました。(そもそもそんな事考えるのも変な人間です)
で、目的があったわけではないので明確な答えがあるわけではありませんが、確かに関係があるのはわかりました。
という事で、今回はこの二つを切り口にいろいろ見ていきたいと思います。
「麒麟」はキリンビールのデザインのとおり、龍と同様に架空の存在のようなイメージはあるのですが、
そもそも「桐紋」は家紋でしょ?というイメージが一番強いのではないでしょうか。
そこで、先ずは「桐紋」て何?というところから背景にあるものを見ていきます。
桐紋には意味があるのか?
先ず桐紋の「桐」という植物ですが、私のように植物の成分を扱ってきた人間にとっては非常に面白い特徴があります。先ずは植物としての桐はよく考えたら私達日本人には比較的馴染みのある植物です。
キリは古くから良質の木材として重宝されており、下駄や箪笥、箏(こと)、神楽面の材料となる。また、伝統的に神聖な木とみなされ、家紋や紋章の意匠に取り入れられてきた。
「木材」
キリは日本国内でとれる木材としては最も軽い。また、湿気を通さず、割れや狂いが少ないという特徴があり、高級木材として重宝されてきた。日本では箏や箱、家具、特に箪笥の材料として用いられることが多く、桐箪笥(キリダンス)といえば高級家具の代名詞である。かつて日本では女の子が生まれるとキリを植え、結婚する際にはそのキリで箪笥を作り嫁入り道具にするという風習もあった。キリは成長が早いためこのようなことが可能なのである。またキリは発火しづらいという特徴もあるため、金庫などの内側にも用いられる。日本各地で植栽されていたが、需要の高まりや産業構造の変化により北米、南米、中国、東南アジアから輸入されることも多い。キリ - Wikipedia
では、本題の桐紋に入っていきます。
「桐紋」は検索してみると一見同じようなデザインですが多数ありますね。
分類してもキリがないので、
先ず、どの様に桐紋が使われる様になったかというと、
元々は日本では天皇の紋章として使われ始めた様です。
何故天皇家が使っていたか?
この理由が、麒麟との相関関係と言える所以です。
この「桐」という植物は古代中国(春秋時代)から鳳凰が止まる木として扱われてきました。
といっても実在する生物ではありませんので瑞獣(ずいじゅう)など神に近い象徴として扱われています。瑞祥や四神などとも表現されますね。
そしてこの鳳凰の特徴ですが、
「聖天子の出現を待ってこの世に現れる」(徳の高い君子が天子のくらいにつくと出現する)
聖帝である黄帝(こうてい)・舜帝・周の文王の時代に飛来したと言われている。
また、孔子が、「子曰く、鳳鳥至らず、河図を出さず。吾やんぬるかな。」
(孔子がおっしゃいました。世を治める聖天子の出現の前兆である鳳凰は現れない。人々に天の叡智を与える図書も黄河から出てこない。もう終わりだ。)
などと話したと文献に残っているのです。
<桐紋とは>
桐の葉と花を形象化したもので、白桐といわれたものが紋章となりました。
聖王の出現を待ってあらわれる瑞鳥鳳凰のとまる嘉木といわれ、瑞祥的意義から、平安・鎌倉時代、桐・竹・鳳凰一組の模様が天皇のみに用いられ、黄櫨染御袍 - Wikipediaの袍に織り込まれていたのが、のちに桐だけが取り出され、公的な天皇の象徴となった。(因みに竹は鳳凰が食べるもの)
桐紋を下賜された人物で、足利尊氏・豊臣秀吉は特に有名です。また、織田信長は足利義昭から与えられたようです。
秀吉が桐紋を賜わってから、桐は菊についで名誉ある紋となり、大名の間で大流行してしまいました。秀吉は褒美の様に桐紋を与えたようですね。
この頃から五七桐は「政治担当者の紋章」という認識が定着してきた様ですね。
因みに、徳川家康は桐紋の下賜を断って葵紋を使い続けています。
主に天皇家は五七桐で大名が五三桐であったと言われます。
今は日本政府の紋章が五七桐で、天皇家が菊紋ですね。
このようにして元々の意味合いよりも由緒の方が重要視されてきたのかもしれませんね。
神社仏閣でも桐紋や桐のデザインが散りばめられている場所が多いです。先日行った香取神宮にもしっかり桐紋があったと記憶してます。五七桐紋が神紋として使われていました。
香取神宮 | 千葉県香取市 全国約400社の香取神社の総本社
(実は今回の内容はここがキッカケ)
鳳凰は、桐にとまるのですが、食べるのは竹の実といことで、最初は桐竹紋であったようで、だんだんシンプルになってきたのではないでしょうか。
下は熱田神宮の桐竹紋です。
鳳凰とは
ここで改めて桐紋のもとになる鳳凰とはどんな存在なのでしょうか?
改めてまとめると
現代の中国では一般に、背丈が12-25尺の大きさがあり、容姿は頭が金鶏、嘴は鸚鵡、頸は龍、胴体の前部が鴛鴦、後部が麒麟、足は鶴、翼は燕、尾は孔雀とされる。
これに対し日本では一般に、背丈が4-5尺ほどに小さくなり、その容姿は頭と嘴が鶏、頸は蛇、胴体の前部が麟、後部が鹿、背は亀、頷は燕、尾は魚であるとされる
春秋時代の『詩経』『春秋左氏伝』『論語』などでは「聖天子の出現を待ってこの世に現れる」といわれる瑞獣(瑞鳥)のひとつとされる。
『礼記』では麒麟・霊亀・応竜とともに「四霊」と総称されている。
鳳凰は、霊泉(醴泉〈れいせん〉、甘い泉の水[4])だけを飲み、60-120年に一度だけ実を結ぶという竹の実のみを食物とし、梧桐の木にしか止まらないという
起源
殷の時代には風の神、またはその使者(風師)として信仰されていたといわれる。また「風」の字と、「鳳」の字の原型は、同じであったともいわれる。
西洋にもほぼ同じ様な存在がありますので対比するとわかりやすいです。
フェニックス(不死鳥)
フェニックスも名前は聞いたことがありますよね。
古代エジプトが西洋の発祥になりそうです。
その特徴はどれも
・不死鳥、又は 秋百年の寿命
・めでたい時に飛来する霊鳥
・火の鳥
・死→生の象徴
・変化の象徴
・太陽の象徴
・自己犠牲の象徴
・その血を口にすると不老不死の命を授かると云われていた
というもので、手塚治虫氏の「火の鳥」というの共通する点になっているのでしょうか?実は、ちゃんと読んだことがなくて、今度読んでみようと思っています。
洋の東西に関わらず似たような象徴を当てはめて願っていたのは面白いですね。
麒麟とは
麒麟の性質
普段の性質は非常に穏やかで優しく、足元の虫や植物を踏むことさえ恐れるほど殺生を嫌う。
神聖な幻の動物と考えられており、1000年を生き、その鳴声は音階に一致し、歩いた跡は正確な円になり、曲がる時は直角に曲がるという。また、動物を捕らえるための罠にかけることはできない。麒麟を傷つけたり、死骸に出くわしたりするのは、不吉なこととされる。
また、『礼記』によれば、王が仁のある政治を行うときに現れる神聖な生き物「瑞獣」とされ、鳳凰、霊亀、応竜と共に「四霊」と総称されている。このことから、幼少から秀でた才を示す子どものことを、麒麟児や、天上の石麒麟などと称する。
孔子によって纏められたとされる古代中国の歴史書『春秋』では、誤って麒麟が捕えられ、恐れおののいた人々によって捨てられてしまうという、いわゆる「獲麟」の記事をもって記述が打ち切られている。
麒麟は孔子が生まれる前と亡くなる前に現れたなど特別な時期に現れるとされ、このことから孔子と麒麟は密接なかかわり合いがありました。(下に写真あり)
・麒麟は仁徳のある王の出現の兆し
・鳳凰は聖天子出現の兆し(天帝に認められた徳のある王)
ここで桐紋と麒麟の接点がより濃厚な事がわかりました。
ここでも麒麟を西洋との比較をしてみたいと思います。
西洋ではユニコーンになります。
ユニコーンと麒麟
・聖獣
・処女の前に現れる
・一角獣
麒麟は紋章としてライオン・獅子とセットに使われたりします。
これもやはり洋の東西に関わらず似たような目的があるようですね。
麒麟とは、仁徳(他人に対する思いやりの心)を持つ王の予兆であり、
鳳凰とは、天(宇宙)に認められた王の予兆である
世を治めようとする者が現れる事を願って、又は麒麟や鳳凰の守護をもらうという願いから使ってきたモチーフです。
世界の現状はそれどころか真逆とも言えそうな事象ばかり?とでも思ってしまう事ばかりです。
しかし、2020年にNHKの大河ドラマが明智光秀を主役として「麒麟が来る」というものが予定されているようですね。桐紋を使った織田信長に仕えその後天海だったのでは?などと逸話が残っているほどの叡智を持っていた人なのでしょう。
2020年は平和の祭典であるオリンピックになります。
オリンピックの五輪マークの様に、麒麟と鳳凰は五色だったようです。
五輪の旗が日本にたなびくときに私たちが、正に平和の祭典としてどうしても成し遂げる事が本当の麒麟がやって来るとも言えるものかもしれません。
天候だけに限らず、まだまだ試練ともいうべき事象がやってきそうですが、
私達が、他人に対する思いやりと、宇宙・自然に共鳴する様なライフスタイルを始める事がその鍵かもしれませんね。
長い文章を読んでいただきありがとうございます。
参考:
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/桐紋
タネ屋のマル
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丸山 泰弘
薬剤師、健康・レストランのコンサルタント
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