こんにちは
生活のタネをお届けするタネ屋のマルです
今日も私見たっぷりのタネをお届けします。
今回は、昨今頻繁に使われるようになった「免疫」や「免疫力」という言葉についてです。
私自身も頻繁に使ってしまう言葉ではあります。
改めて自戒の念も込めてこの「免疫力」という表現を使うものにリテラシーを持って扱えるように免疫について少し見ていきたいと思います。
健康とは
免疫を考える前に、まず何の為に機能しているのか?勿論自分のカラダを「健康に保つ為」と言ってもいいでしょう。
よく出てくる文言ですが、改めてその定義されているものを確認してから進んでみたいと思います。
健康の定義について
WHO憲章では、その前文の中で「健康」について、次のように定義しています。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)
この健康を守る役割の一つの機能でもある「免疫」ですが、社会を見渡してみると、既に健康とは言い難い状況の方々が多いのは言うまでもありません。
そうすると、商売としては免疫を売りにするところは必然的に増えてきます。
それが悪い訳ではなく、免疫は役割も多く、単独でパワーアップする事はありません。
多様な要素との相互作用の中でバランスをとりながら機能していくものですので、その提供される商品やコンテンツがどの様な側面から免疫に影響が及ぶのか?などとリテラシーを持って観察する事は、自分の状況把握と共に重要な要素です。
第一回の今回では先ず、総論的に免疫についてイメージの整理をしてみたいと思います。
免疫とは?
先ずは大まかに免疫の概念を見てみましょう。
細かく正確にというよりはイメージとして掴めたらと思います。
ここでは今の社会の状況や時代転換などと重ねて考えてみます。
下の図を見ながら考えてみましょう。
細胞・全身を国土と重ねて考えてみます。
日本の国体にとって免疫とは、日本国を守り私達市民が安全に安定した生活が維持できるようにする為、自衛隊の防衛力と政治の治安力と言ったらいいでしょう。
言い方を変えると、対外的に「安全保障」と内部安定の「社会保障」というものがわかりやすいのではないでしょうか?
安全保障で外部からの害が内部に及ばない様にすることと
万が一侵入しても捉えて対処するシステムですね。
一方で、内部では安定を支える為の社会保障としてのシステム、これが機能すると公衆衛生を守りや病気をに対処し、そして仕事を継続し、生活に安定をもたらします。
歴史で考えてみても面白いかと思います。
例えば、明治維新に至るまでのプロセスと国の免疫機能としてみると、
先ず黒船が外部からやってきます。
それがキッカケで内部に外国のエッセンスが入り込み徳川の政治力が衰退していく流れがありましたね。
ウイルスによる感染とも重ねてみるとイメージしやすい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
免疫の学問的な解説は優秀なサイトが沢山ございますので是非検索してみて下さい。
免疫力と抵抗力の違いとは?
ここで、「免疫力」と同じ様によく使われている表現に「抵抗力」があります。
抵抗力は辞書では
外部からの力をはねかえす力。反発する力。
病気や病原菌に耐える力。又は耐えて健康を保とうとする力。
とあります。
そういう意味では上の図とも重なりますね。なので言葉としては免疫力の概念を表現する一つの単語とも言えます。
ニュアンスとしては上で言う「安全保障」の領域にちかい意味合いで使われるケースが多いですね。
その辺も踏まえて情報が表現しているものを見ていくのがいいですね。
免疫の役割
ここで免疫を全体を見渡したな中での役割を見ていきます。
世の中に溢れる商品やサービスは、単に「免疫力」と表現したり、「NK細胞が活性化!」などと表現したり様々ですが、そもそも免疫が全体の中ではどの様な役割とポジションを持っているか分からないで説明は不可能です。逆にエビデンスは?と聞く人も同様の知識が無い人ではそもそも会話が成り立たなくなってしまいます。
ここは双方がリテラシーを保つために全体を大まかにでも掴んでおきたいですね。
先ずは、
全体のシステムが何の為に機能しているのか?
その中で担う役割は何なのか?
といった観点で見てみましょう。
下の図をご覧ください。
上の図は、免疫が関わる全体システムの概念図となります。
この図の中心を見てください。
ここにある「ホメオスタシス(恒常性)」とある様に、体内の社会秩序の安定といったニュアンスが今までの流れではわかりやすいかと思います。
免疫系はこのホメオスタシスの維持の為に外敵から守り、古くなったものを処理して内部の衛生環境を守る役割を担って、他の役割である神経系や内分泌系とのバランスも相互作用して調整しながらそれぞれの役割の安定も図っています。
この全体を管轄・管理しているのが脳になります。
ホメオスタシスは、どれかだけが活性化する事を避けて全体で常にバランスをとっていく事を目指していますので各役割毎の担体で活性化する事を認めません。
万が一免疫だけが暴走してしまった場合、全体のシステムは一旦破綻する事になります。
図の免疫系に「サイトカイン」と言われる免疫においての放出物質の総称なのですが、
現在「サイトカインストーム」と言われる免疫過剰反応とも言える症状が見受けられるとのニュースも結構見かけます。
これがシステム破綻の一例です。
上の様のに日本国として眺めた時は、 まさに明治維新に至るまでの内部の嵐とも言える状況です。
外敵からの刺激(黒船)から内部の侍?(免疫細胞)が一気に活性化して見境無く周囲を攻撃していきます。冷静さ(フィードバック機能)を失って暴走しています。
そうなると、それまでの江戸幕府の統治機能(ホメオスタシス)は崩壊してしまいます。
侍や大名(免疫細胞)の活性化が徐々に鎮まってくると、ズタズタに崩壊された統治(システム)の後は、
明治天皇(脳)が、目指すべき治安・統治(ホメオスタシス)の姿を示し、明治政府を置き、各官庁(免疫・内分泌・神経)を設定し、発令(五箇条の御誓文、明治憲法を発布)(脳の指令)を出して新たな統治システム(ホメオスタシス)を新たなツール(情報ネットワーク・抗体など)を使って現場役人(免疫細胞など)が実行・監視していく中で再び安定(恒常)が訪れます。
若干話が飛躍してしまいましたが、免疫機能は活性化すれば何でもいい訳では無いことをご理解していただければいいと思います。
全体のバランスが担保されている中で有効な免疫が活躍が出来るのが皆さんの望む免疫力アップの姿になるでしょう。
免疫反応の多様性
さて、免疫は単独では考えられないという事をイメージとしてご理解いただけたかと思います。
そこでここではフォーカスを免疫系の機能や反応そのものまで引き寄せてその反応の種類をここでもイメージ的ではありますが見ていきたいと思います。
免疫をまた比喩的になりますが国機能として見てみると、
外交・協定・自衛隊・警察・戸籍など様々な機能が考えられます。
例えて分かりやすいのが、自衛隊や警察は強すぎても弱すぎても困るのは想像しやすいのではないでしょうか。
自衛隊が弱すぎたら外敵の侵入を容易に許してしまいます。
逆に強く出過ぎると国境などで過敏な緊張状態を生みかねないものでもあります。
警察が弱すぎると治安が悪くなり悪い組織が増殖しますね。
逆に警察が強すぎると、罪もないのに犯罪者として裁かれるケースが増えるかもしれません。
上記のイメージを元にすると考えるキッカケに出来るかもしれません。
自衛隊の機能はバリア機能とも言えます。
バリアが弱いと容易にウィルスやバクテリアなど侵入を許し感染症を引き起こしかねないですね。これの反応自体は次回以降に解説したいと思います。
バリアが強すぎるのは、外敵と思われるものを感知すると過剰に排除する為の反応が一気に出ます。外敵となるのは実はアレルギー物質も含まれます。アレルギー反応は免疫機能の一部になります。大まかには過剰防衛になってしまう事が私たちの辛さに繋がります。アレルギー反応の後は炎症に繋がります。
警察の機能は内部環境の監視と取締まりとも言えます。
監視・取締りが弱いと、様々な影響から発生しがちなシステムエラーを起こした細胞(例えば癌細胞)の発見が遅れ、対応も遅くなり、増殖していってしまいますね。
監視・取締りが強すぎると、監視システムの過剰チェックが暴走してしまい、癌細胞や不要な細胞のみならず、正常に機能している細胞までもが取締りの対象になってしまいます。過剰に反応して細胞を攻撃して破壊し排除しようとします。自己免疫疾患ですね。リウマチやクローン病などがその一例です。反応としては抗体反応が中心になります。
私のイメージなんで分かりづらいかもしれませんが下の図をご覧ください。
不都合な免疫の反応(働き)の一部ではありますが、表示しました。
免疫反応は多様でかつ全身に及び、強すぎても弱すぎてもダメで、外に集中するだけでも中に集中するだけでもダメです。
結局、ここでも丁度いい時間(反応性)と空間(内外)でバランスが取れている事が重要な事が感じ取れて頂ければいいのではないかと考えております。
何かを体感するというより何も無い状態を維持できる事が重要たとも言えそうですね。
免疫力に影響する要素
ここまではバランスが重要といった事をいろんな角度から書いてみました。
それでは、そのバランスに影響を及ぼす要素は何なのか?
見ていきたいと思います。
商品やサービスを見ても大抵のものはこの免疫力に影響を及ぼすであろう「要素」の性質から情報提供をしていると言っても過言ではないでしょう。
大きな括りでみると下記の様な表現はよく出てくるのではないでしょうか。
実際はこれ以上に多々ありますし、上の項目ひとつとっても数十種類もの要素に分けられるものもあれば、その一つづつにおいても使い方によって意味合いが変わってくるものもあります。
また上記の項目によって影響力の強さは全く違いますね。
昔、栄養や体の仕組みを教えていた時に必ずといって聞かれるのが
何を食べたら免疫力アップしますか?
何をやったら免疫アップしますか?
何を食べたら〜病が治りますか?
といった内容でした。
勿論、お相手の状況をしっかり把握出来れば出来るアドバイスは沢山有ります。
しかし、情報がない場合はなかなかアドバイスまで辿り着けないケースは多いのは事実でした。
免疫力アップとは
免疫力アップというのは確かにあります。
でも先ず全体的な理解が無いとなかなか難しい概念になってくるのは何となくご理解頂けましたでしょうか。
そういう意味では、全体のバランスをとって底上げしながら、それでも足りない部分や補強したい部分が見つかる様であれば、そこに上乗せして取り組むなり摂取していくのが最終的に近道だと思われます。サプリメントの基本的な考えと一緒だと思います。
大まかには全体の機能アップを図る為に
日々の運動、食事のバランスとしっかりした栄養摂取、精神の安定を取り組むのが下の図で言えば、左側が運動や精神で出来るアップイメージで、右側が食事や栄養素でよく用いられる最初の段階の樽の高さを揃える為に全体を先ずは整える考え方になりますね。
これができた上に追加する要素はさらに免疫の特定の機能のアップを期待するという考え方が現実的なものかもしれません。
欲張るならば、一番最初はデトックスの様な体内を綺麗にすることが本当は大事、、、
なんていってしまうと何もできなくなってしまいますね。
私個人はは土用が開けて徐々にデトックスを始め、甲子で本格的にスタートして溜まったものをスッキリさせて免疫アップの土台をしっかり作っていく予定です。
如何でしたか?
今回は全体を見る事で免疫をアップするヒントと、それを見極めるためのヒントとなればと見ていきました。
是非巷に溢れる情報に躍らされずに利用する側になって頂ければと思います。
次回はもう少し具体的に免疫の機能的にも見ていけたらとお思います。
今回のテーマ「免疫」はいかがでしたか?
新しいタネの発見につながっていったらうれしいです。
タネ屋のマル
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筆者:丸山 泰弘
薬剤師、カラダ・キュレーター
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カラダ・キュレーション(CS60)
https://karadaq.hatenablog.com/
@taneyakumaru