こんにちは
生活のタネをお届けするタネ屋のマルです
今日も私見たっぷりのタネをお届けします。
疲労シリーズも7回目になりました。
今回は最近聞くようになってきた「副腎疲労」です。
最近の名前と言っても、概念やシステムはパーツ毎に以前から注目されてはいるのですが、「副腎」のシステムを柱に一つの概念にまとまって考えやすくなったものになります。
しかし、現代のしつこい疲れの背景にこの副腎疲労が潜んでいる方も多いかもしれませんので今後の動向が更に注目ですね。
シリーズも7回目になると情報が混乱してくるかもしれませんのでここで頭の整理をしながら副腎疲労を見ていきます。
疲労のモノサシ
初回で疲労を以下のモノサシを使って見ていくと書いたのですが、改めて表示してみます。
①「疲労部位や蓄積部位のモノサシ」
- 脳神経疲労
- 肉体疲労(筋肉疲労)
- 内臓疲労
このモノサシが基準とします
②「時間経過によるモノサシ」
- 急性疲労
- 慢性疲労
③「脳から見たモノサシ」
- 中枢性疲労
- 末梢性疲労
④「原因によるモノサシ」
- 身体的疲労
- 精神的疲労
⑤「場所の特異性によるモノサシ」
- 疲労(肉体的)
- 疲労感(感覚的)
5回までは①のモノサシのなかで最新の情報と古代の叡智を織り交ぜてご紹介してきました。
しかし前回のミトコンドリアは全身の細胞ですので①②③は全てに関連してきます。
④で身体的疲労、⑤で疲労(肉体的)となり非常に幅広く全体的な内容でした。
今回の「副腎疲労」は先に分類してしまうと
①では「脳疲労」と「内臓疲労・肉体疲労」の関係性
②では急性から慢性になっていくプロセスに関係
③中枢と抹消を連携する機能
④発生は肉体的で体感は精神的
⑤現場は肉体で体感は感覚的
と全てのモノサシを往き来するなかでの疲労という存在です。なので、いろんな症状がまたがっている場合は一度検討してみる価値はありますね。
興味がある方は本間医師の書籍などを見ながらモノサシを往き来してみると面白いのではないでしょうか。
副腎疲労のキーワード
上記の様に多様なモノサシではかれる半面、理解しずらいので今回はキーワードから探ってみたいと思います。
私が思う副腎疲労のキーワードは
「炎症とステロイドホルモン」
「自律神経」
「体内情報のループと体内時計」
副腎って何処で何してるの
写真はWikipediaの副腎より引用しました。
図の上側の三角形の様なものが副腎です。
私達の背中側にあります。
大きさはクルミぐらいで5g程のようですが、
機能が非常に重要で多岐にわたります。
- ホルモン分泌
- 血糖調整
- 免疫機能
- 炎症反応など
簡単に説明すると「ストレスに対処する場所」です。ケガなどの物理的なストレスも精神的なストレスも両方です。
こんなに小さいのにホルモンを50種以上分泌するとも言われています。
他にもホルモンを分泌する場所は、甲状腺、膵臓、精巣、卵巣他有りますがこのように多様なホルモンを分泌するのは副腎のみです。これだけでも重要な場所だと思っていただけるのではないでしょうか。
副腎の構造は内側と外側の二つに分かれて機能も別になっています。 この場所によって働きが違いますので、分けて説明してみます。
まず内側(中心部)を「副腎髄質」いいます。
ここから分泌されるもので一番有名なのが「アドレナリン」です。
このアドレナリンが自律神経のうちの交感神経に働く事でイメージ通り活発に活動したり、ストレスに対応したりします。
外側は副腎皮質といいます。
有名なのは「ステロイドホルモン」です。
代表的なものが「コルチゾール」になります。
このコルチゾールなどのステロイドホルモンが体内の炎症を抑えてくれたり、インスリン分泌を調整したり、体を活発な状態にしてくれます。
このホルモンは睡眠に合わせて朝方4〜8時頃にピークを迎える為、「体内時計」が分泌の重要な要素になります。みなさんが病院でステロイドホルモンの薬をもらった時に朝に飲むよう指示された方もいるのでは?風邪の症状が朝と夜で違うのはこのホルモンの影響も関係しています。
他に例を上げると、現在注目されている腸内環境でリーキーガット症候群はこの副腎の機能の低下で悪化します。他にも例えば最近蚊に刺された後になかなか腫れが引かなくなったというのも副腎機能の低下からホルモン分泌が低下している可能性もあります。
近年、体内の炎症の数値が高く、隠れた炎症が残っている事で体の異変がある人も多いとの事。睡眠とも非常に関係が深いので重要な要素になります。
副腎皮質のもう一つの代表は「アルドステロン」です。これは聞きなれないかもしれませんね。このホルモンが体内の水分バランスやミネラルのバランスを調整する役割があります。
そして副腎から分泌されたホルモンは脳と情報交換して互いに刺激したり抑制したりするように情報が常にループしています。
この性質が体全体のバランサーにもなる反面、どこかの比重が変わってしまうと体調を崩す原因となります。
しかし、医療の現場で保険で指定された範囲での検査などではこの原因まで突き止めることが出来ないので、副腎疲労から来ている気落ちがうつ病と診断されたりしてしまいます。これはDrが悪いというのではなく、現代の医療の枠の限界点でもあるのです。
そこで下記の本の著者である本間医師などはもう少し精密な検査をする事で副腎の状態を把握して個別に対応できるようになって来たのです。これを見つけたのがアメリカ人医師のジェームス・L.ウィルソンで下の本の著者でもあります。
近年では前回の記事で出てきた「オーソモレキュラー療法」という栄養療法として詳細な検査の結果からオーダーメイドの栄養を服用する事で副腎疲労などに対応するクリニックも多くなってきました。
クリニックで保険外で詳細な検査と診断は少しずつ受ける事は可能になって素晴らしいのですが、
実は体内時計と栄養が鍵になるのでベースとしては日常生活の中で改善していくものになります。
なので私達のライフスタイルの選択が一番大事になるのです。
本間医師の本は日常で出来るアイデアをたくさん載せてくれてます。
慢性的な疲労感がだらだら続いている方は検討してみてもいいのでは?先ずはこの本を読んでみるのもいいですね。
また、副腎疲労の概念や改善方法の着目点は「アーユルヴェーダ 」と非常に似通っていて相性が良い様に思います。
アーユルヴェーダ などに興味がある方にも馴染む考え方だと思います。

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丸山 泰弘
薬剤師、健康・レストランのコンサルタント
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