こんにちは
生活のタネをお届けするタネ屋のマルです
今日も私見たっぷりのタネをお届けします。
疲労シリーズ6回目になります。
今回のテーマは「ミトコンドリア」です。
疲労を考えるときに、ミトコンドリア抜きでは考えられません。
近年流行や話題になるサプリなどは殆どミトコンドリアの機能に関連しています。
特に昼間のTVを見ていると、サプリや健康食品は全てと言っていい程ミトコンドリア周辺の反応をターゲットにした食品ばかりです。
これは昔からこの栄養素が疲れを取ると実感している人が沢山いたからでしょう。
では具体的に見ていきましょう。
ミトコンドリアって何?
Wikipediaより引用
上の細胞の図の⑨がミトコンドリアです。
小学校や中学校で生物の授業で出てきますね。
私達の細胞の中にある器官でもあり、独自のDNAを持つことから、ある種の生命体とも言えるような存在でもあります。
私達がカラダを維持し活動できるのも、このミトコンドリアのおかげと言っても過言ではありません。
図では2個ですが、300〜400個が一つの細胞にあるとも言われているようです。この数も重要な要素になってきます。
より細かく見たい方はWikipediaをご参考に
ミトコンドリアは何をしている?
主な機能は
- エネルギー変換(産生)
- カルシウム貯蔵
- アポトーシス
他にもステロイドの合成や呼吸反応など様々な反応を担っています。
一言で言えば、「代謝の要」です。
カラダの代謝現場の中枢とでも言えばいいのでしょうか。
機能を簡単に3個にまとめちゃいましたが、非常に複雑で多数の反応を担ってます。
この写真はミトコンドリア内外の代謝MAPになります。二十数年前からこの本の図を見ては、栄養を考え、薬の反応を考え、ダイエットの工夫など考えてきました。実際はもう少し細かくなってます。
流行のサプリや健康食品、そしてダイエット法は数ヶ月ごとに話題は変わりますが、ほぼこのページの反応の何処かにフォーカスしているだけです。
アリナミンをはじめビタミン(VB1、他ビタミンB群)、ミネラル、クエン酸、タウリン、お酢、アミノ酸、カルニチン、グリシン、オルニチン、αリポ酸・・・
低糖質、運動、呼吸、活性酸素、乳酸蓄積・・・
他にも関連ワードを上げたらキリがない程です。
十数年前ぐらいまでの栄養学は
取り込んだ限られた素材を、効率よくエネルギーに変換するツールを使う事が、エネルギッシュで疲れ知らずに過ごしたり働いたり運動したりという目的で特定の栄養を摂取してきました。いわゆるアリナミンなどのビタミン剤の類いです。
しかし、現代の私達の食生活は足りない栄養があるというより、使い切れないで余ってしまい、蓄積される一方です。私も。
アーユルヴェーダで言えばアーマ(毒素)になってしまいます。
その後、健康産業も医療業界も抗酸化などのキーワードが流行しましたね。
この2〜3年程でしょうか、私の記憶では、ミトコンドリアの機能に注目した治療法、健康法、運動法などが多くなってきました。
新しい視点は、栄養素でエネルギー効率を上げるのでは無く、ミトコンドリアを増やす事や機能を上げる事でエネルギーの出入りのバランスをとって、蓄えたものを再利用しながら最大限のパフォーマンスを発揮していくようなテクニックが注目されてきています。
有酸素運動、呼吸法、低糖質の食事などの様々なテクニックです。
書店で平積みされている本は背景にミトコンドリアが関係しているものは多いかもしれませんよ。
このミトコンドリアが関係する「代謝」に関係する疲労については、ビジネスて一番収益を上げやすい領域ですのでメディアなどでも一番登場してくるはずですので話題が消える事は無さそうですね。
その分、私達も注意してみていないと古い情報に踊らされる可能性もあります。
私自身も販売する立場の側ですので、葛藤しながらも出来る限りその人の何処に解決すべき問題があるかはしっかりみて行くようにしています。
旧くから疲労との関係が知られながらも、まだまだ新たな疲労の概念を明らかにしてくれる神秘的な存在です。
栄養学としては近年「オーソモレキュラー」という分子栄養学が精密な検査の上に体内の状況をしっかり解読した上で適切に摂取する為の理論が出来てきていますので、そちらのジャンルでビタミン類は注目されていくのかもしれませんね。
この「オーソモレキュラー」は次回の「副腎疲労」というこれも流行りともいうようなキーワードと関連してきます。
ミトコンドリアからの新たな可能性
疲労とは違いますが、ミトコンドリアで注目されている別の特徴があります。
CMでもやっていますが、遺伝子検査です。ミトコンドリアの遺伝子は何故か母親からのみ引き継がれます。この事から、母系の先祖をたどっていくことが現在は可能になっています。私も検査して見たいと思っているのですが、まだできていないのでまた近いうちに試して見たいと思っています。
また、細胞のアポトーシス の装置でもある事から、生命原理のヒントも隠されている可能性があり研究のターゲットになっています。近い将来ひ驚きの事実が発見されるかも。
さらに、ノーベル賞を受賞した大隅良典氏のオートファジー理論とも連携しています。他の細胞内器官との連携や、細胞外との連携が更に明らかになれば、食生活や運動や仕事の価値観が変わる可能性も秘めているような予感もありますので、今後の研究に期待したいところです。
今回のテーマ「ミトコンドリア」はいかがでしたか?
新しいタネの発見につながっていったらうれしいです。
タネ屋のマル
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丸山 泰弘
薬剤師、健康・レストランのコンサルタント
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@taneyakumaru