風邪って何だろう? クスリ編
こんにちは
生活のタネをお届けするタネ屋のマルです
今日も私見たっぷりのタネをお届けします。
最近「風邪」で調子悪い方ばかりですね。皆さんはカラダの調子はいかがですか?
少し空いてしまいましたが、「風邪って何だろう?」の第2回目として《クスリ編》になります。
結局何?
前回は風邪の概念として風邪って何?といった感じで書いたのですが、
こう思った方ばかりでは?
「結局何なの?」
と分かるようで分からない。私が言うのもおかしいのですが・・・
そうなんです。
結局、学問としても完全に解明されているわけではありません。
風邪を治すクスリをつくれたらノーベル賞ものだなんて昔から話がありますね。
え、それじゃクスリは何故「風邪用」があるの?
風邪薬という不思議な概念
基準が正確にあるわけではない「風邪」に何故「風邪薬」があるのか?不思議ですよね。
実は、薬の分類の中で風邪治療薬という種類の薬品はありません。
要は一般の方に分かりやすく、咳・鼻・喉全般的に組み合わせる事で風邪用にブレンドされてますよ、というものです。市販の場合、いろんな成分を混ぜることにより総合的に対応できるようにしています。
じゃ、病院のクスリは何が違うのか?
実際に診察して症状を確認して必要だと思われるものだけをピックアップしているのです。
ザックリ言うと、大抵のものに対応出来るようにしているか、今の状態にターゲットを絞るかのちがいです。
逆に、大抵は保険を使います。今現在必要のないクスリは保険は使ってはいけないのです。カルテに書いてある病名とクスリの適応の病名が対応しているか常にチェックがかかっています。
あとは、選択肢の違いとして抗生物質が出せるかどうかが選択の違いはありますね。日本人は世界一抗生物質が大好きな国民性があるので病院へ行くという人もいるかもしれませんね。
では「市販の薬」を使うのと「病院のくすり」はどう結果が違うか?疑問ですよね。
回復の時間に差が出るのか?
私が接している処方薬を持ってくる方々は、病院のクスリの方が早く治るから、と考えて受診している方は多いかもしれません。
では実際に治るのが早いのでしょうか?
実は、通常の風邪に於いてはクスリを使っても使わなくても治るスピードは変わりないとされています。
昔から言われている事ですが、一般的には、一旦風邪症状が出ると7〜10日は完治に時間がかかるとされています。
ただ、組織が傷んでいたり、免疫が頑張っていても自覚症状があるとは限りませんのですぐ治った!などと感じたりしますね。
じゃあ、クスリは要らないのでは?
そうです。
カラダの仕組み上は必要無いのです。
必要な理由は私達が仕事や学校が休めない事情があったり、生活は普通にしながら治したいという願望があるから必要になってくるんです。
症状は菌やウィルスと戦ったり、余計なものを追い出そうとしている作業なんです。
クスリで症状を抑えるという事は、戦闘力(抵抗力)にブレーキをかける事になり、症状が軽くなったと感じる反面、回復までは時間がかかる可能性があるという事です。
でも、「これを飲んだから早く治るわけでは無い」と言ってくれる人は医療機関にはほぼいないと感じています。これは頼って来た人に言いづらいのと、医療機関もビジネス(接客業)という側面が強くなっているから仕方ないですね。
逆に、受診する側がある程度認識が必要とされるのが現状ではないでしょうか?
また、近年は、風邪の症状の出方、というより皆さんのカラダの状態がこの10年ぐらい大きく変わってきているのが非常にわかりやすくなっています。
それが風邪の症状の出方に特徴として現れてきてます。
クスリにもカラダにも流行りがある
実はカラダにも流行りのような状況はあります。
これはファッションとしてではなく、結果的にそうなるだけではありますが。
風邪の症状を長年見ているとその辺が分かりやすいです。
簡単に言えば、近年は、カラダの反応がアレルギー症状として発症しているんです。今月流行っている風邪は特にそうですがほとんど感染というよりアレルギーという症状です。なので過去の概念に当てはめると風邪と言っていいのか?といった雰囲気ですね。
なので、どの症状でもベースは抗アレルギー薬というジャンルで過敏さにブレーキをかけるクスリが第一選択になっています。
アレルギー反応の場合、回復時間と考えると徐々に軽減の流れになりますので2週間〜1カ月かけて消えていく感じになります。現在の流行りはこんな症状で皆さん戸惑っているのではないでしょうか。
もうお亡くなりになられましたが「安保徹先生」が殆どの書籍で指摘していた状況です。
簡単に言うと、都会的又は現代的とでもいう快適さの中にいると、それはそれで自律神経のバランスが偏ってしまうのです。
近年リラックス系のヨガとハードトレーニングの両面が注目されてくる背景にこのような事があります。
風邪の症状の流行りは世間の流行りとも密接に関係していたんです。
という事は、治療法にも「流行り」というものがあります。
先程は医療機関の弱点のようなものが出てきましたが、医師がしっかり診ているからこそこの変化を敏感に感じ取り臨機応変に対応していると言えます。
実際、10年前と現在では風邪の処方内容はガラッと変わっています。
名前から見える特徴
クスリが「抗アレルギー薬」という選択肢になってきたと書きましたが、この「抗〜」という名称で名前の通りわかるのが、アレルギー反応に「抵抗すると」「おさえる」などと理解出来ますね。
抑えるということはカラダで起きているアレルギー反応を止めたいという事ですね。これは抽象的な見方で言えば、反応の「時間を止める事」になります。
必要性や善悪という事は別に現象だけを眺めてみると、「加速している時間の進みにブレーキをかける事」とも表現できます。
これも先程の流行りのようにテクノロジーと共に時代(時間)の加速というものと重なってきますね。
この辺は古典医学、昔の文献や経験があまり役に立たない部分(場合により逆効果)で、現代の私達が始めて向き合って行かなくてはならない事象になりますね。
いつもながら話か逸れました。
しかし、流行りや時代背景もあってクスリの効きが悪い人が現在は多いようにみうけられます。
クスリが効きづらく見える
原因は流行りや時代背景からくる体質の微妙な変化が、昔の理論が通じなくなってきたこともあるでしょう。
そうでなくても、医薬品の使い過ぎでカラダが慣れてしまい変化が現れないケースも多いですね。特に小児と高齢者。
また、カラダの対応力がなく反応しずらいひともあります。
理由は様々ですが、より大量で長期に摂取する人が多くなっているかもしれません。
多くの方々がいつのまにか、クスリは病気を無かったことにしてくれる魔法の粉のように認識するようになってきている印象はあります。
うがい薬は魔法?
魔法というと、昔はヨードを喉に塗ってもらったら治った!という高齢者は多いかもしれません。
そこからイソジンうがい液で毎日うがいすると風邪にならないと思い込んでいる人はかなりいそうですね。
喉に塗るのもうがいもそうですが消毒です。
風邪ひいた時に、ウィルスで壊された喉の粘膜から身の回りの細菌が侵入しないようにする事によって二次感染を防ぐためのものです。
粘膜が損傷しているケースは一瞬消毒するメリットはあります。
しかし、寝たきりの方を看病した事がある方はよくわかるかもしれませんが、消毒を続けると組織が回復しなくなってしまいます。
うがい液も同じ事で、人混みに行ったあと一回はメリットはありますが、日常的に使っていると風邪を引いた時になかなか治らない可能性があります。
さらに、最近はアレルギー反応が多いので、菌を抑えるより、水でうがいしてマスクをしている方がいいですね。
時代が変わって社会だけでなくカラダも変化してきている現在、工夫の仕方も時代に合わせて行かなくててはなりませんね。
今回はクスリを通して風邪を見てみました。
今回のテーマ「クスリ」はいかがでしたか?
新しいタネの発見につながっていったらうれしいです。
タネ屋のマル
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丸山 泰弘
薬剤師、健康・レストランのコンサルタント
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