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カラダ予報 《土用終盤の2回目の丑の日》

こんにちは
生活のタネをお届けするタネ屋のマルです

今日も私見たっぷりのタネをお届けします。

 

 

 

 

 

土用も2/3が過ぎ終盤へ差し掛かる

 

今回の土用の時期は、気象の異常的な現象や天体の特殊な配置、そして社会の緊張感などなども重なり、

ただ猛暑というだけでもカラダはキツイ状況な上に更に揺さぶりをかけられるているような状況でしたね。

 

気象に関して、東京では7日の「立秋」に向けて気温が右肩下がりに落ち着いていく予報が出ています。

気圧は大きな変動が無さそうですので、土用中は気圧で神経に負荷がかかる事は無さそうです。

しかし土用のカラダの問題に関しては、気圧はキッカケだけですので立秋後に注意が必要になります。

 

今日は2回目の土用丑の日になります。

メディアや飲食関係は年間イベントの中でも大事なものになっていますので、何処に出掛けても、うなぎの文字や写真を見かけるでしょう。

 

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でも、

いつも「土用」って言うけど実際何なの?

という疑問も多いかもしれませんので、今日は、昔の人の土用の捉え方を考えながら現代で活かせる部分が無いか模索してみようと思います。

 

 

土用とは?

 

そもそも土用とは、

旧暦(太陰太陽暦)を使って農業や伝統的文化に携わる方には当たり前のものになっているとは思います。

土用(どよう)とは、五行に由来する雑節である。1年のうち不連続な4つの期間で、四立立夏立秋立冬立春)の直前約18日間ずつである。

俗には、の土用(立秋直前)を指すことが多く[1]、夏の土用の丑の日にはを食べる習慣がある。

各土用の最初の日を土用の入り(どようのいり)と呼ぶ。最後の日は節分である。

土用 - Wikipedia

 現代的に言うと、「季節の変わり目」というのが一番分かりやすいのではないでしょうか?

 

 この風習は日本には非常にフィットしたものなんです。

なぜかと言うと、「四季」があるからです。

これが、チョット南へ行って台湾であったりもっと下がってインド、逆にロシアに行っても、日本の様にほぼ四当分された四季というものは無く、ある意味日本のある場所は、奇跡的な場所とも言えます。

一方で、その分こまめに変動があるため慣れないと大変なのかもしれません。

私のカラダについてはこの辺の変わり目の変動を主に書いています。

 

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今回は土用でも特に最中である「夏の土用」にフォーカスする事で、なぜ土用が今だに残っている習慣かを見ていきます。

 

ウナギは何処からきた?

 

土用といえば、最初に書いた様に、丑の日を連想しますね。

平賀源内のエピソードは、この時期になると必ずメディアで流れますので今では知らない人はいないのでは?と思ってしまうくらい定着しています。

鰻を食べる習慣についての由来には諸説あり、讃岐国出身の平賀源内が発案したという説が最もよく知られている。

平賀源内説の出典は不明で、前述の『明和誌』にあると説明するケースもあるが、『明和誌』には記されていない[5]。源内説は細かなバリエーション違いがあるが、要約すれば「商売がうまく行かない鰻屋(知り合いの鰻屋というパターンもある)が、夏に売れない鰻を何とか売るため源内の元に相談に赴いた。源内は、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めた。すると、その鰻屋は大変繁盛した。その後、他の鰻屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着した」というもの。丑の日と書かれた貼り紙が効力を奏した理由は諸説あり定かではないが、一説によれば「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」という風習があったとされ、鰻以外には梅干うどんうさぎ馬肉(うま)、牛肉(うし)などを食する習慣もあったようだが、今日においては殆ど見られない。

実際にも鰻にはビタミンAB群が豊富に含まれているため、夏バテ、食欲減退防止の効果が期待できるとされているが、前述の通り、栄養価の高い食品で溢れる現代においてはあまり効果は期待できないとされる[1][4]。そもそも、鰻の旬は冬眠に備えて身に養分を貯える晩秋から初冬にかけての時期であり、夏のものは味が落ちるとされる。

土用の丑の日 - Wikipedia

そうなんです、鰻屋さんにとっては、脂が一番少なく一年で一番味が落ちる時期という認識なんです。

でも、夏のこの猛暑の中では、少しサッパリと食べれるうなぎの方が美味しく感じますので、気にせず、美味しく頂きましょう‼️ 

 

 

上の「う」のつくものという文脈が土用丑の日に非常に深く関係していますので、古来の知恵を見ていきたいと思います。

 

 

そもそも、土用丑の日とは中国から入ってきた陰陽五行思想干支というよく暦で利用される考え方から生まれています。

吉野裕子氏の解説では

夏は「火気」。十二支でいえば、「巳、午、未」の三ヶ月。この時期の「土用」ですから、未の月の「土用」の丑の日ということになりますね。

 未の月、つまり夏の土用は「火気」が強く、「燥土」です。人々はこの時期、一番体が弱ります。この火気は中和して人に害を及ぼさないようにする必要がある。

 この「火気」を制するものは、何でしょうか。「水剋火」ですから、「水気」ですね。未の対角線上にある十二支は丑です。「丑」は亥、子、丑の水気の三支の終わり、つまり水気のなかの土用です。同じ土用でも、丑の月の土用は水気のなかの「土気」、つまり「湿土」。

  先人たちは、激しい「火気」によって強められている未月の土用の土気を、「水気」の丑月の土用の土気で中和しようと考えたわけです。

  けれども未月と丑月を重ねることは出来ません。また「丑」は「牛」なので、ウシを食べればよいわけですが、ウシは農耕上の聖獣で、明治以前の日本人にとってウシを食べることはタブーでした。そこで、丑月は丑の日に変えられ、ウシは同じ「ウ」がつく「ウナギ」を食べることにして、丑の日にウナギを食べるようになったのです。

カミナリさまは、なぜヘソをねらうのか? (サンマーク文庫)より引用

 

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土用と土(つち)

 

もっと時代を遡って考えてみます。

こちらは丑の日とは別ですが、夏の土用の際に私もよく聞く文言の理由なのですが、

 

皆さんは、お年寄りに、土用中は「土」をいじってはならない!と聞いたことはありませんか?土用中の行楽が事故になりやすいと言う人もいますので同じことを指していると思われます。

これには、安倍晴明平安時代に活躍していた時にはまだその概念は日本になく、後に仏教などで中国から入ってきた考え方の一つだと思われます。

それは「土公神(どこうじん)」という存在です。

土公神 - Wikipedia

現在では、工事業者やお茶をやっている方に習慣の一部として残っていると思われます。

土公神決まった日に決まった方位に座する(居座る)という特徴のある神のことで、方位や暦や土地を扱う人々には重要な要素になっていたと考えられます。

この土公神がいる方位とそれにまつわるものはいじってはならない、いじると怒らせて障りがあると信じられていました。

そのなかで、「土用」には「土公神」は地中にいるタイミングになります。

これが、この時期に何か障りがあった場合は「土公神」を怒らせたという事で土用中には土をいじるな!と後々まで語り継がれてきた背景があります。

現代に息づく陰陽五行【増補改訂版】参考

 

 

現代の私達にとっては

このようにみてくると、現代で言えば、季節の変わり目において、カラダの健康と生活の安全を変化の中で対応しながら守っていくための手段だったとも言えそうですね。

昔は限られた情報しか無い上に、全ての人が教育を受けられたわはではないことから、家族・地域・国の人々の健康と安全を守り発展させたいという想いで、教訓を戒めとして、それをやるとバチが当たるというようなニュアンスで 伝える事で今でいう安全を計っていたのではないかと感じます。

 

 

ではいまの私達ならどうカラダや社会と関わることが変化に対応できるのか?

適切な情報を得ながら、自ら考えることが必要かもしれません。

現代は大きな時代の転換期でもあります。

既存の情報をそのまま解釈するだけでは実用性がありません。今の時代においてその情報がどのように変遷していくかを見極めていく必要があります。

これは非常に難しいですけど、そこに昔を紐解く理由があります。

特にカラダを守る情報は日々更新されています。10年前の情報は殆ど過去の記録として終了されているものばかりです。

だからこそ昔のことを学ぶメリットは、今自分が立っている状況に耳を傾けて真の情報をキャッチするアンテナの精度を上げていくことなのかもしれません。

 

忙しい日々の中で、全てのものは同じスピードで変化もしています。

振り回されるのではなく、そこにしっかり立ち止まって、先ずはキャッチしていくことで、自らの船を漕ぎ出せるかもしれません。

 

古典的な側面からだったので最後まで抽象的ですが、こんな時期だからこそふと立ち止まる勇気も必要ですよね。

 

ウシのようにのんびり構えましょうといったところでしょうか。

 

明日は続きでおまけのお話


今回のテーマ「土用丑の日」はいかがでしたか?
新しいタネの発見につながっていったらうれしいです。


タネ屋のマル

 

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丸山  泰弘

薬剤師、健康・レストランのコンサルタント

 

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