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【カラダハック】回復力の誤算。排出と吸収の間(マ)に潜む力

こんにちは

生活のタネをお届けするタネ屋のマルです

今日も私見たっぷりのタネをお届けします。

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今日は、寒くなりいわゆる「風邪」や「胃腸炎」が増えてきたので、カラダの回復力について少し考えてみます。

 

前回の時代の転換の話同様、カラダにも転換期や調整期など様々な時期があります。

何も無い時期が続くとつい自分のカラダに目を向けなくなり同じ状態が続く様な感覚になってしまいます。

 でもそうはいかないんですよね。

必ずなんらかの変化はやってきます。1日、季節、年齢など常に時間は進んでいきます。

 

今回はそんなことも踏まえて改めてカラダの回復を考えてみたいと思います。

(チョット長くなります)

 

一番リアルでわかりやすいのが最初に書いた「風邪」や「腸炎」になります。

 

風邪はかかったことが無い方はほぼいないかと思います。胃腸炎も程度はいろいろありますが大抵の方は経験があるのではないでしょうか?

 

私自身は医療の現場にずっといる為、毎日予防接種している様な環境なんで、最近はなかなか本格的な風邪を引くことは ないのですが、引いたときの辛さは身にしみています。

因みに私は風邪薬を滅多に使わなかったですね。

葛根湯などであえて一気に体温を上げて暖かい水分をとって思いっきり汗をかいて終了。

例えがいいかわかりませんが、サウナを本格的に入って、その後の「整ったー」という感覚に近いです。

 

でも、なかなか同じことは出来ないでしょうから、皆さんは仕事を頑張るために薬で症状を極力抑えて乗り切るようにしている方が多いかもしれません。

 

今回はどちらの手段をとっても免疫の守りの時期と、攻防の結果の修理の時期がある事には変わりませんので、一つの考え方をお伝えしていきます。

 

まず、症状出たときには皆さんケアや薬などなんらかの方法を選択して対処しますよね。

 

しかし、喉元過ぎれば熱さ忘れる とも言われるように薬が効いたり、症状の最初のピークが過ぎてしまうともう治ったような気分になって、活動してしまいますよね。

ここが一番勘違いしやすいポイントでもあります。

 

と言ってもわかりづらいので、回復に至るカラダのプロセスの一つのパターンを見てみます。

 

一般的に風邪は殆どウィルスが鼻又は喉の粘膜に侵入するところから始まります。

細胞に侵入したウィルスは自分の分身を沢山作り出します。この期間を潜伏期といいます。

腸炎の場合は潜伏期間は胃腸の中ですがプロセスは一緒です。

 

このウィルスが細胞を飛び出すと一斉にカラダに広がろうとします。

この時一気に熱を上げる為にカラダをゾクッとさせます。そして一気に熱を上げようしてダルくなります。

ここからは力が入らなくなりますね。

カラダの司令塔からエネルギー消費を全てストップさせて免疫に全てエネルギーを注ぎ込みます。

 

この時のストップで勘違いしやすいのが栄養摂取ですね。

熱が上がる前に葛根湯など補助するのはいいのですが、発熱開始と共にカラダは全てのエネルギーを一気に免疫に傾けます。

怠くなり、節々の痛みと頭痛で動けなく(大人だと熱がでずらいのでなかなかここまではいきませんが)

腸炎の場合は、全てを免疫の変わりに全てを吐き出す事で対処します。

 

客観的に見るとわかりやすいのですが、要はカラダは何もしないで寝ていて!と言ってます。

 

この時が第一のポイントで

言葉通り、何もしないのが一番!

風邪でも胃腸炎でも外からの「入力」をオフにして中にあるウィルスの撃退に集中します。

この時に食べ物をとることは、カラダにムチを打つようなもの。

せっかくオフにしたのに「消化」「吸収」「代謝」というとんでもないエネルギーを消耗させてしまう行為をカラダに強いている事になります。

 

免疫の働きは弱くなりますよね。

 

またその後(2日後ぐらいが多い)、実はウィルスによって壊されてしまった粘膜からそこにいる菌が侵入する事によって膿が発生します。

鼻詰まりや痰など。

だいたい風邪を引いて2〜3日後から症状や場所が変わってきませんか?

ウィルス自体は比較的早く殺せなくても早目に抑える事はできますが、大人の皆さんが意外に苦しむのはここから後ですね。特に咳。

 

大抵の場合、きっかけのウィルスと咳は別物です。

この移行を避けたいという意味で抗生物質や消毒のうがいなどを貰ったりしていますよね。

多分原因のバイ菌を殺す為と説明を受けると思われますが、実は全く意味が違います。ここに抗生物質パラドックスがありますが、それはまたの機会に。

 

ただ、この背景が分かると、排出と回復の意味が分かりやすくなります。

 

風邪は早ければ発症して1〜2日で辛さが抜けてくる一方で、咳や鼻がダラダラ続いてしまうのは原因が変わって、主に常在菌が粘膜から侵入する事で引き起こされます。

なので、カラダの攻撃体制もウィルスからバイ菌の方に切り替えて対処していきます。

ただ、症状がキツくないケースが多いので、治った!と感じるかもしれません。

 

しかし、カラダ側はまだまだ必死に戦ってますので、エネルギーを日常通り消費してしまうとパワーバランスが生活活側に使われてしまい免疫力が削がれていく事になります。

昔から一回風邪を引いたら1週間は引いているといわれているのはこの辺が理由です。

 

カラダはウィルス侵入からバイ菌の侵入、そしてそれぞれを攻撃・排除するのに1週間近くかかっていそうです。

その一方でウィルスが暴れ始めるとカラダを修復し始めますのでそこにもエネルギー配分が必要です。

 

因みに、腸炎の場合は発症してから約2日でウィルスを追い出していきます。一部カラダに侵入もあります。その時に胃腸は過敏にな上、バリアであるバクテリア郡も減少していて、約5日近くかけて本来の状態に戻っていきます。

風邪でも胃腸炎でも一緒です。

 

特に最初の発熱するタイミングは通常食欲が止まります。カラダが「食べるな!」と合図を出しているんです。この時は勿論食べないのが一番!

ただ、脱水は危険ですので、水分は必要になります。

ここでは真水はダメですね。

吸収が難しいのでかえって異物扱いです。

やはり代表的なのは経口補水液ですね。

 

でも実際は自分でも作れます。ようは塩水なんで。

 更にいいのは重湯(サラサラのおかゆ)ですね。

重湯は消化吸収に負担をかけず、最低限必要な循環物質を補充してくれます。

なのでカラダのパワーを奪いません。

なので最初のウィルス時期は経口補水液又は重湯が一番でしょう。

 

問題はその後です。

皆さん直った!と思ってしまうので我慢していたご飯を思いっきり食べてしまいます。

腸炎の時はこれがダメだとすぐわかるでしょう。最初の下痢よりご飯を食べた事による下痢の方が酷くなってしまうから。

実際、カラダは頑張っているのを感じさせないようにして平常でいられるようにしてくれてます。

なのでこの後半時期も食事の取り方は注意したいですね。

最初は重湯から徐々にしっかりしたお粥にしていき、具が無い方がベストです。

水分もだんだん真水に変えられます。

味付けは薄めで塩はしっかりで大丈夫。

油・香辛料などは控え目にして徐々に日常に戻していきます。

1週間とは言いませんが最初から含め速くても4日間かけて戻していくのがカラダの免疫と回復力を発揮しながらの食事と言えます。

また、特に後半はスープがオススメですね。具が無い。

土用の頃よく書いている内容です。

エキスが抽出されているスープは胃腸に全く負担をかけずに、カラダに最大限のパワー補給にもなります。

これは胃腸の力を殆ど使わずに栄養を届ける素晴らしい手段です。

 

これらの方法でカラダが全力で回復しようとしていった後には、疲労感ではなく、自律神経がシャキッと調整された様な晴れやかさを感じる事が可能です。

良いか悪いかはともかく、風邪でも「整った!」という体感が得られます。

 

風邪を引かないに越したことはございませんが、その際は回復力を邪魔せず対処してみて下さいね。

 

だいぶダラダラかいてまとまりがなかったのでまた改めて整理したものを出しますね。

 

風邪の効用 (ちくま文庫)

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taneya.hateblo.jp

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タネ屋のマル

 

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筆者:丸山  泰弘

薬剤師、カラダ・キュレーター

健康・レストランのコンサルタント

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