こんにちは
生活のタネをお届けするタネ屋のマルです
今日も私見たっぷりのタネをお届けします。
今回は12日に18年ぶりの書き下ろし小説が発売された小野不由美の作品についてです。
「十二国記」の最新刊の長編小説になります。
私は小説の方は読んだことがなく、NHKで放映されていたアニメの方を映像で現在手軽に見流ことができますのでそちらで見ました。
台風の影響で時間が出来たので一気に見てしまいました。
アニメで見れるのはストーリーの途中までではありますが、見れば見るほど引き込まれていくような凄みががあります。
ストーリーのご紹介は楽しみがなくなってしまいますので、背景にある世界観を私なりにお伝えして導入になれば思います。
この背景がわかると。来年の大河ドラマや今年起きている事象とリンクしているようにも感じられるかもしれないです。
先ず「十二国記」は日本と異界とされる12の国との物語でありファンタジーでもあります。
日本からみて異次元の12の国は、古代中国を思わせるもので、
国は下の写真のような構造になっている。
それぞれの国に麒麟がいて、その麒麟が王を選び、王が国を統治するようになっています。
その流れから色々な物語が進んでいくものです。
この物語の背景には古代中国にあった
「讖緯(しんい)説」と「山海経(せんがいきょう)」
という二つの書物などがベースになっていると言われているようです。
と言ってもこの二つを知っている方は少ないと思いますので、簡単にご紹介しますね。
先ずは讖緯説です。
陰陽五行説をベースとして書かれている書物ですが
讖緯説は二つの別の要素の総称としての名称で、実際は
「緯書」と「讖記」とあり、大まかに言うと
- 「緯書」・・・経書の内容に沿った解釈書
- 「讖記」・・・天文占など未来予言書
具体的い言うと緯書は主に四書五経の「経書」と言われるものの解説書として孔子が書いたとされています。(実際は不明)
四書五経は「経書」と言われているのでいわば儒教の経典になります。
経書は「経」という文字の通り経緯の縦横においてタテ糸に当たり
その世界観(この場合儒教)において柱でもあり精神でもありこころでもあり、
織物のタテ糸同様ピンと張った動かざる基準になり、理念や思想になります。無形のものです。
それに対して「緯書」は、
ヨコ糸に当たり、精神に対して体であり、現実的な流れを表します。
有形で、思想や理念に対して知識や学問のような側面があります。
そして
「讖記」は天文学をベースに未来を占っていた予言書です。
中国ですので北極星と北斗七星がベースでしょう。
北斗七星プラス補星の九星で現在の気学や風水などが生まれてきていますね。
この讖緯説の予言や学問から「吉凶」「瑞祥」「運気」などの概念が構築されてきたと言えますね。
麒麟をはじめ鳳凰など四神などはこの予言や伝記が大きく影響をしたのではないでしょうか?
そして山海経(せんがいきょう)ですが、
これは讖緯説とは全く違う性質で古代の「地理書」になります。
東西南北各地の解説をしているのですが、内容は非常に面白く奇書とされています。
それは何故かと言うと、
各地の地理や産物や風俗だけでなく神話や伝記などもあり、下のような存在がたくさん登場します。
これは易経を作った神的存在の女媧がこのように描かれたりしていて、
各地の妖怪とも言える存在をたくさん記載していて、
今で言えば、ガイドマップにゲゲゲの鬼太郎や蟲師の様なものが一緒に紹介されている書物と言えばいいのでしょうか。
古代の各地にあった神話とともに自然観も知れる様な書物とも言えますね。
ストーリーの構造は
神話の法則やヒーローズジャーニーやシンデレラストーリー的要素もありながら
ユングの心理学や哲学など人間の多面性も描かれ
ある種の人間成長物語とも言えそうですね。
ナルニア国物語のような感じが近いかもしれませんね。
麒麟は来年の大河ドラマと関係するかわかりませんが並行して楽しめそうですね。
また、古代で言えば、今年は日本の新たな王とも言える天皇が即位するタイミングです。
来月はキリスト教圏の王とも言えるバチカン司教が天皇と対面します。
この物語が直接関係するわけではありませんが社会の変動と併せて見てみるとさらに楽しめるのではないでしょうか?
長編ですが機会があれば是非見ていただきたい作品です。
今回のテーマ「十二国記」はいかがでしたか?
新しいタネの発見につながっていったらうれしいです。
タネ屋のマル
〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜
筆者:丸山 泰弘
薬剤師、カラダ・キュレーター
健康・レストランのコンサルタント
CS60始めました(CS60目黒)
カラダ・キュレーション(CS60)
https://karadaq.hatenablog.com/
@taneyakumaru