こんにちは
生活のタネをお届けするタネ屋のマルです
今日も私見たっぷりのタネをお届けします。
夏から秋に気象も体感も実感してきましたね。
今回はこの秋の心に関連する「自尊心」という言葉から秋の特徴を見ていきたいと思います。
少し前に「自尊心が傷つけられた」という言葉がニュースで流れたのも記憶に新しいのではないでしょうか。
今回はキーワードとしてタイムリーなのと、来年にかけても大事なキーワードの一つになりそうなので、今回はニュースとは全く関係なく、古典の抽象的なモノサシから眺めてみようと思います。
今回は「陰陽五行学説」を中心としたモノサシから測っていきます。
先ずは陰陽五行学説の5要素の関係性
陰陽五行では今の季節「秋」は「金」に当たります。
今回のテーマ「自尊心」を大事にする際に、
この「金」徳目である「義」の性質から見えてくるものがありますのでここから始めたいと思います。
先ず、陰陽五行の「金」の特徴は、
土中に光り輝く鉱物・金属が元となっていて、金属のように冷徹・頑固・確実な性質を表す。収穫の季節「秋」の象徴。
方角は西、色は白、五臓は肺、六腑は大腸、感情は悲・憂、
五常(五徳)は「義」この辺を図にまとめると
「義」は金性ですので金属で何度か書いてきている「剣」なども表します。
日本でも海外でも象徴としての剣は双刃になります。
古代はこれを実際の戦いや権力などの象徴として使われてきましたね。
しかし、現在は自分の「舌」として言葉としてパワーを持つものになってきています。
「君の名は」や「天気の子」の新海誠氏の作品は万葉集などの歌からインスピレーションを受けて作られ、それがヒットしています。
天体の「木星」と「金星」の和解から
万(よろず)の「言の葉(言葉)」が世界を切り開いていくサインといってもいい状況ですね。
で、その中で浮上してくる問題の中の一つとなっている「自尊心」ですが、
陰陽五行をよく見てみると、その「金星」と「木星」の関係が結び直され「土星」がその仲介をして立て直している最中に自己(自我)が中心でその柱とも言える「自尊心」が揺さぶられてしまいそれを守ろうとすると「怒り」が噴出してしまう状況と見立てたらわかるでしょうか。
身近な問題で考えると、
「並んでいるところに割り込まれたらイライラ💢してしまいませんか?その感情をそのまま相手に向けてしまうと怒りになって正義の剣を振り上げてしまう。」
なんてこと経験したことはありませんか?
この時の状況に似ています。
このケースではマナーを守る事が正義で守れない人を悪とポジションを置く事になります。勿論日本ではこれが当たり前ですので感情が立ち上がる方は多いのかもしれません。勿論私もそういうことはあります。
上のケースの問題はなんとも言えませんが、世界が開けてくればひらけてくるほど、
基準は全く違うので人それぞれの正義がある事になってしまいますね。
これでは自律神経がボロボロになって簡単に統合失調症になってしまいますね。
ここで「自尊心」とは何か改めて見てみると、
自己価値を柱に自分自身を尊ぶ自己評価を大切にする心で、プラスに働けば非常に良い自己肯定感を生み出し、マイナスに働けば自己価値を守るために自己中心的になり他を排除したり攻撃したり、又は内に閉じこもる事になりやすいです。簡単に言えばプライドですね。
そういう意味で自尊心は、自己を守る姿勢から「金性」の剣(矛)や盾を作り出し矛盾関係を生み出してしまう事があります。
これは今年のキーワードの一つ「内側のねじれ」から発生する可能性もありますね。
ここからは「自尊心」を大切に守ろうとする「剣」の象徴「義」を、東アジアの一つの世界観を作っている儒教の易経の要素を陰陽五行と重ねて考えてみたいと思います。
先ず陰陽五行で金の「義」は正義や大義という言葉からも分かるように、義(タダ)しさであり、道筋のことで、物事の善悪を分かつ力とあります。
この義しさが何によるものかが鍵になりますね。
私達は通常「正義」とは、道理に適った正しいことを指しますが、この道理が日本人にとってはマナーや倫理など社会性(関係性)の中に見出す傾向が強くあります。しかし、現在観光立国として海外の方が多く来るとこの道理の捉え方が全く違い私達にとってマナー違反であるとか悪のようにも見えてきます。
実は本来の「義」は『天の正義を求める義』とあります。
とすると個人的な問題ではなく大袈裟に言えば宇宙システムや宇宙のコトワリを求める姿勢を「義」と言うようですね。
これからのグローバル化が進み、地球を一つの国のように見て行った時、宇宙の関係性(神という言い方もある)が変われば「義」が変わると考えていいでしょう。
なんて言ってもどうしたらいいの?ってなんてしまいますので、孔子が解説した易経の中での王(君主)の徳目を借りてみてみます。
因みに現代で君主は魂と一体化していると自覚がある私達一人一人と考えていいと思います。
「君子への道」とは徳を目指す道とされ、
徳の高い人は、基本的に「仁、礼、義、智、信、勇」の六徳を守っている人です。
特に易経は仁礼義智の徳について書かれています。
「民衆を愛する仁」「天を敬う礼」「天の正義を求める義」「天の智慧を探る智」
これを易経では「元亨利貞(げんこうりてい)」と表現されています。
孔子の説明では
「元は善の長なり。
亨は嘉の会なり。
利は義の和なり。
貞は事の幹なり。
君子は仁を体すれば、以って義に和するに足る。
会を嘉すれば、以って礼に合うに足る。
物を利すれば、以って義に和するに足る。
貞固にして、以って幹たるに足る。
君子は此の四徳を行う者なり。
故に曰く、乾は元亨利貞なり」
と1番目の乾為天を解説しています。
もう一度最初の図と照らし合わせながらみて下さいね。
「義」は物事の正邪(又は善悪)を判断する力とありましたが、
言い方を変えれば理性とも言えます。
天の道理や筋道を見極める力としての判断力
これは非常に難しいものですね。
その総和が「利」という果実を引き出すといったところですね。
道理や筋道は以前「三千世界」としてご紹介した「道」例えば茶道や華道などの道と同じなのではないか?と思います。
この理性の判断力は古来の隠喩で言えば先に書いた「剣」で、迷いを切り裂く強さですね。
実はその剣を持つ手に力を与えるのが、矛盾するかもしれませんが、逆に「自尊心」とも言えますね。
仁と礼に支えられた義を支える「自尊心」は守るべき対象が自分ではなく周囲であるのかもしれません。
そう見てみるとやはり剣を内に向けて内省する姿勢と外には愛のある言葉で道を開いていくのが「義」と「自尊心」の関係性なのかもしれません。
仁義礼智信など徳目は先天的に備わった器の大小などもありますが、
自らの力で磨く事で鉱物(金性)は輝きますね。
次に、来年にも通じる要素として「干支」から金性の特徴をみてみます。
来年は「庚子」(かのえね・こうし)
下の図を参考にして下さい。
【庚】は金の陽性、
秋のように万物を庚(あらた)める、革(かわ)る働きと、継ぐ・償(つぐな)うの意もあります。
【子】は水の陽性 、
十二支の一番で終わりと始まり
どちらも陰から陽に転ずる働きもあり
今までの引き継ぐべきものを維持・継続して、汚れや要らなくなったものを払い浄めることによって、更新し、新しい環境に対応できるようなマイナーチェンジ的改革的な一年とも言えそうです。
金の剣で不要なものを切り落とし、新たな空間に新たな空気を入れていくような年になるのではないでしょうか。
オリンピックイヤーでもありますので変化は多いでしょう。
そういう意味では大事にするべきものと不要になるものの見極めの力と周囲を大事にしながらの自尊心が新たな空気を入れる原動力になりますね。
9月・10月にはその気配が感じられる現象も出てきそうですのでその様子を感じながらそろそろ来年の予定を決めていく時期になりますね。
とりとめもない話でしたが、
「自尊心」は「正義の剣」を誰かのために使える姿勢なのではないかと感じています。
傷つく自尊心は自己中心で終わってしまい、結果自らを更に傷つける結果になってしまうのではないでしょうか?
まずは周囲のそういう姿を見たならば自分の姿勢を正していきたいものです。
カラダにとっても剣の向ける場所と自尊心の姿勢が健康を左右してしまいます。
是非カラダにとってもいい自尊心を築いていきたいですね。
今回のテーマ「自尊心」はいかがでしたか?
新しいタネの発見につながっていったらうれしいです。
タネ屋のマル
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筆者:丸山 泰弘
薬剤師、カラダ・キュレーター
健康・レストランのコンサルタント
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@taneyakumaru