薬剤師が語る 生活のタネ

自分らしいライフスタイルを生みだすためのタネを探す冒険に行こう

【カラダのタネ】八朔と二百十日は風との向き合い方

こんにちは

生活のタネをお届けするタネ屋のマルです

今日も私見たっぷりのタネをお届けします。

f:id:maryuchian:20190830191956j:image

 

 昨日8月30日は新月とお伝えしましたが、旧暦では八月一日

別の字で書くと八月朔日。気付いた方もいるでしょう。

八朔(はっさく)」です。

 

この頃食べ頃を迎える柑橘類を「ハッサク」と名前が付いてます。

f:id:maryuchian:20190830191858j:image

八朔の時には予祝として神様にまだ早い未熟な稲を供えてお祝いをする習慣があったそうです。

豊作を祈念する予祝としての収穫祭という

この頃、早稲の穂が実るので、農民の間で初穂を恩人などに贈る風習が古くからあった。このことから、田の実の節句ともいう。この「たのみ」を「頼み」にかけ、武家や公家の間でも、日頃お世話になっている(頼み合っている)人に、その恩を感謝する意味で贈り物をするようになった

フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』より引用

 

また、暦とは別ですが、柑橘のハッサクに因んで

古来から柑橘のことを橘(タチバナと総称してますが

特に西側のエリアには橘は特別な存在で万葉集にも沢山詠まれています。

当時の橘はニホンタチバナなどで実を食べるのではなく花や実の香気を楽しむような存在で、と並んで特別な存在でもありますので、タチバナ(花橘・花立花)などととも表現され、家紋にも用いられ、天皇の親戚などが名乗ってもいました。

更に「右近橘、左近桜」と京都御所紫宸殿の前に植えられています。

右近性もここから生まれたとも言われています。

花は5枚の花弁と3枚の葉としてのシンボルで描かれます。

f:id:maryuchian:20190831062234j:plain
f:id:maryuchian:20190831062323p:plain

日本では固有のカンキツ類で、実よりや常緑のが注目された。マツなどと同様、常緑が「永遠」を喩えるということで喜ばれた。

古事記日本書紀には、垂仁天皇田道間守常世の国に遣わして「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)・非時香木実(時じくの香の木の実)」と呼ばれる不老不死の力を持った(永遠の命をもたらす)霊薬を持ち帰らせたという話が記されている。古事記の本文では非時香菓を「是今橘也」(これ今の橘なり)とする由来から京都御所紫宸殿では「右近橘左近桜として橘が植えられている。

フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』より引用

 下世話な話ですが、タチバナとマツの関係は面白い。

更に、映画「君の名は」の2人の名前を並べてみると面白いかもしれませんね。

 

 

 

話を戻して、

八朔で豊作を祈念した予祝が行われていましたが、

明日は9月1日もそれと連動した暦の目安として使われてきました。

立春から数えて210日目として古くから「二百十日」といわれてます。

雑節として二十四節気でわ分かりにくい季節特徴を農業などにも活かしてきたようです。

 

因みに「雑節」は節分、土用、八十八夜、入梅半夏生、彼岸、社日などあります。

 

二百十日」は農業をしている人々にとっては台風のピークの季節にあたり、昔は稲作の早稲種の開花時期として大事な時とされて、実がなるかどうか重要な時期になります。

 

当時の人は強い風を心配していたようです。

この頃強く吹く風の事を草むらをかき分ける風から「野分(のわけ)」と呼んでいました。

歴史的には倭寇が野分に乗ってきたとか、、、

 

簡単に言うと農家にとって厄日

(なので八朔で予祝をしたのか、、、)

 

この強い風雨を抑える為に「風祭」というように祭り事をしたり下の写真の様にで風を抑える呪術を使っていました。

いまでもその名残があるのが長野県の諏訪エリアですね。以前書いたものを見て頂ければ参考になるかと。

また、風祭や風間という性はこの神社などに関連して発生しているとか

 

f:id:maryuchian:20190830190757j:plain

f:id:maryuchian:20190831075417j:image

taneya.hateblo.jp

 

上の図の様に、「二百二十日」「二百三十日」とあるのは稲の早稲の後に花咲く中稲晩稲の品種によって目安としていたようです。

中国ではこの半分の105日目が雨が強くなるとして雑節のように使われてきたとか。

 

俳句では秋の季語として残されてますが、農家にとっては祈るばかりともいえそうです。

 

現在の台風のピークはどうか?

気象の関係で少し前になっているとは思われますが、

現在では台風も怖いですが、前線の大雨や突然のピンポイントでの雷雨などに頭を痛める時代です。

とは言え昨年ならばこの後も何度も台風がやってきたので全く予測不可能。

 

やはり風祭というように、現在でも前線や低気圧の動きで強い風が吹き込んでくる事で植物も病気になりやすいですし、

私達のカラダは体力を消耗してきます。

 

その風の特徴は、日本の上空で寒気と暖気がぶつかっているので、

冷たく乾燥した風の日もあれば、

暖かく湿った風の日もあります。

私達のカラダは古来からこの季節の風病気を運んでくると考えられてきていて、現実的にも揺らぐ気象は私達のバリアになる抵抗力を徐々に薄くするかのようには弱めていきます。

意外に私達はこれに気付きません。

有り難い一方で何か起きるまで気付かない危険性もはらみます。

 

古来からの風習を現代に活かすのであれば、

風が運んでくる空気を意識してケアをしていきたいところです。

お店ではウール製品が多く出回りました。

私は今シーズンはウールをいろいろ試してみようと考えています。

最近は肌に当たってもソフトなメリノウール製品が手軽に買えるようになってきましたので是非お試し下さい。

私は寝るときに主に使って体温調節に利用してみようかと。

 


今回のカラダのタネはいかがでしたか?

新しいタネの発見につながっていったらうれしいです。

 


タネ屋のマル

 

〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜

筆者:丸山  泰弘

薬剤師、カラダ・キュレーター

健康・レストランのコンサルタント

CS60始めました(CS60目黒)
https://www.cs60meguro.com/

カラダ・キュレーション(CS60)

https://karadaq.hatenablog.com/

Twitter

@taneyakumaru