薬剤師が語る 生活のタネ

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塩を巡る旅 【台湾編】台南

こんにちは

生活のタネをお届けするタネ屋のマルです

今日も私見たっぷりのタネをお届けします。

 

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新潟の塩巡りの次は台湾です。

 

台湾は日本と同じく、小さな国で、海に囲まれていますので、必然的に海水を活かした製塩になります。

 

日本と比べて温暖で、大雨がそれほど多くない台南のエリアではかつて製塩業が盛んでした。

日本統治以前から良質な塩を作っていたようです。

 

かつて都だった台南は、その製塩に気候だけでなく地理的条件も非常に向いた場所だったのは行ってみるとすぐ分かります。

 

台南には巨大な内湾がいくつかあり、外海と隔てる壁がもともとあり、内湾は膝ぐらいの深さから数メートル程度の浅瀬が広がっています。


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下の写真はその内湾で、現在は全域が牡蠣の養殖場になっています。

台湾へ行った事がある方は屋台で牡蠣のオムレツのようなものを食べた事があるでしょう。

あの値段を可能にする波のない内湾が牡蠣の養殖に適していたからですね。


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見渡す限りの広さで牡蠣棚が永遠と続きます。

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岸辺にはマングローブも広がり、渡り鳥が冬に非常に多い自然環境


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マングローブを境に陸側は製塩所と魚の養殖場がこれまた永遠に続いています。

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養殖されているのがサバヒー(ミルクフィッシュ)プランクトンを食べる魚です。


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これだけ広大なエリアで養殖されているので相当な生産量でしょうね。ソーセージにもなってしまっています。

海水の田んぼになっています。

田んぼの中心部にサバヒーがいて土手辺りに白エビがいっしょに養殖されているのが多いとか。

日本では全くあり得ない立地です。

(因みに同じ田んぼでも稲作はマンゴーの里の山側で行われていて、戦前日本人がダムを作り灌漑設備を構築したことで可能になったものだとか)

 

こうみると、日本とは全く違った条件で製塩が行われていたのは想像がつきますね。

 

では製塩の方ですが、2002年で台湾の天然の製塩は終了してしまいましたが、

現在は跡地と、一部が再開されてきていますので見学ができます。

 

有名なのが「夕遊井仔脚瓦盤塩田

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前日まで凄い雨だったみたいで塩にビニールがかかってます。

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一部は体験出来るように解放かれてます。


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海から何段階か海水を天日で蒸発させ濃縮させながら下の瓦が敷き詰められている場所に移動していきます。

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上の写真のように瓦を引いてある所が最終段階で最初に上に浮く花塩や最後に残る通常の塩が現在は作られているようです。

 

私の想像以上に綺麗でかなり精巧に計算されたつくりでビックリします。

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日本とは違い最後は煮詰めないので、エネルギーの消費はない為、海水の水質さえ問題なければ日本の自然塩より続けていけるシステムですね。

問題は天気次第というところですね。

 

日本でも東京都の大島で企業がこの方式に少し違い方法を使って製塩をしているようです。

 

 

さて少し場所を南に移動して「七股塩山」です。

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ここは、製塩が廃止になったときストックされていた塩を山にしてあるチョット変わった場所です。

 

勿論雨などで多少減ってくるので維持する為にたまに塩を追加しているようです。

ここは賑わっていて、現地の方も遊びにきている場合です。


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塩は粗いので、工業用の塩だと思われます。

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面白いのが「縁屋」という塩で建てた建物もあります。

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勿論溶けてしまうので壁の内側がなんですが

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塩を縁(エン)とかけて若い人達が内側に絵馬のようなものが

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山の上からは、隣の塩博物館が見えます

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隣の博物館では台湾の製塩の歴史など展示されています。


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博物館の横も以前は塩田で、今も修復されて綺麗に残されています。


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この場合は工業用の塩と食用の塩の両方の塩田が残されています。

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左側が土で出来た塩田で工業用の塩を作り

右側が瓦などを敷き詰めてあり食用の塩を作ります。


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土の塩田は粗い大粒の結晶ができます。

変わらずを敷き詰めると太陽光が効率的に反射したり熱を伝えて早くキメの細かい良質な塩になるとか

 

塩田の横は作業員の休憩所と住宅がまだ残ってます。住宅は人がまだ住んでいました。


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場所を更に南下して台南の海の玄関口の安平區

 

元々イギリス統治時代の建物で、日本統治時代には塩の倉庫としても使われた事もあります。

現在は資料館ですが、古くガジュマルの木が建物を覆い茂ってレトロな観光地として有名に


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塩産業の会社の日式の寮だった建物


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もう一つ日式の寮があったのですが間に合わなかったのですが

現在先にご紹介した塩田を経営している会社が管理いていて下の様な商品の展示場になっています。

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資料館の裏手の川でちょうど夕日と綺麗な花が見れました。

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最後に

何故台湾でも自然の海塩が一旦終了してしまったのか?

工業の発展に伴い水質汚染が広まり、工場でイオン交換式の塩(日本の食卓塩と同じ)でないと摂取出来ないくらいになってしまったから。

今の台湾の躍進を見たらわかりやすいですよね。

勿論日本もその前に同じ道を辿っています。

今は国が投資して一大工業地域をつくり綺麗に管理しているので汚染はないでしょうけど。

 

海水を素材として塩産業のこの後100年を見た時にどの様のこの産業が進んでいくのか?

私自身も興味ありますし、新しい技術が作れないか日々妄想しております。

 

(丁度新潟から山形にかけて巡った塩の旅のエリアに私達が台湾の塩を巡っているエリアで地震があったので心配です)

 

 

今回タクシーで塩のエリアを案内してくれたのは陳さん

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今回のテーマ「塩の旅」はいかがでしたか?

新しいタネの発見につながっていったらうれしいです。

 


タネ屋のマル

 

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丸山  泰弘

薬剤師、健康・レストランのコンサルタント

 

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