こんにちは
生活のタネをお届けするタネ屋のマルです
今日も私見たっぷりのタネをお届けします。
今回は大河ドラマでタイトルになっている「韋駄天(イダテン)」
名前は聞いたことあったけど、どういう存在?となる人が多いのではないでしょうか?
大河ドラマの内容で「早く走る人」を表す言葉として使われているのは皆さんご存知の通りですね。
韋駄天は古くはインドの神々
【インド神話】より
…彼女はヒマラヤの娘とされ,また,ウマー,ガウリー,ドゥルガーなどとも呼ばれ,血なまぐさい狂暴な姿をとるときは,カーリーと呼ばれる。軍神スカンダ(韋駄天)と象面のガネーシャ(聖天)は,シバとパールバティーの息子とされる。一方,ビシュヌは,すでに《リグ・ベーダ》に登場するが,元来,太陽の光照作用を神格化したものとみられる。…
【スカンダ】より
…ヒンドゥー教の軍神,神々の将軍。カールッティケーヤ,クマーラなどとも呼ばれ,韋駄天,私建陀などと漢訳される。六面を持ち孔雀を乗物とする。…
いだてん【韋駄天】
サンスクリット語のスカンダskandaの音を写したもので私建陀,建陀とも表す。バラモン教の神で,シバ神またはアグニ神の子であるが,仏教に入って護法神や伽藍の守護神となった。南方増長天の八将の一人で,四天王に属する三十二将の長とされ,速やかに邪神を降伏させる。釈迦が涅槃(ねはん)のとき仏舎利を盗んだ捷疾鬼(しようしつき)を追ってそれを取り戻したという説話によって,足の速いことを〈韋駄天走り〉と呼ぶようになった。
世界大百科事典より
四天王の一つ、南方を守る「増長天」のに属する八将軍の一つで将軍の長。韋駄天。南方だからか孔雀にのる?
少しだけポジションが見えてきました。
四天王は四天王寺などからイメージがつきますね。
聖徳太子が大化改新(古い呼び方?)前に記念して四天王像を彫って、改新後に四天王寺を建てたとか、、、
ビルマ仏教の四天王の絵
先日の東寺展での立体曼荼羅にも四天王はありましたね。
バラモン教と比較してみると、先日ご紹介した「不動明王」がシバ神の化身とされ、「韋駄天」はそのシバ神の子供の化身という事での繋がりがあります。バラモン教やヒンズー教は物語として語られているので役割の構造は仏教が見やすいですね。
ここで、このブログはミクロコスモスのカラダとしても見ていきますので、立体曼荼羅をカラダのシステムとしてみると「四天王」は甲冑と剣で防御しますので免疫機能と見れます。
中でも「韋駄天」は真っ先に向かう最前線の長ですので、先日ご紹介したマクロファージや好中球といった先発隊で、「四天王」がその情報を脳神経やホルモンと連絡しながらの司令部ですね。
全体まで引いてみると、中心の「大日如来」が脳神経や魂とも見立てられます。
左右の「不動明王」と「菩薩」は内面と外面の世界と見立てられます。
「不動明王」は私達の内面の世界に向いてます。心の隙間に魔(間)がささないように怒りの形相で睨みつけています。言ってみれば内観している働きですね。間(魔)を照らす炎。
一方「菩薩」は修行者です。行い(行動・実践)を修るもの。社会に対して自らを表明して行動することで現実を生み出す働きとも言えますね。
ちょっとした余談でしたが、これもイメージしやすくなるのでは?
そう見ると韋駄天は、見えない所で素早く対応してくれる有り難い存在ですね。
韋駄天は釈迦(又は仏道修行者)の為に方々を駆け巡って食事を集めたという話があり、そこから転じて、
「韋駄天のように馳走して食事を用意してくれてありがとうございます」と感謝の気持ちを込めて、「御馳走さま」=「ごちそうさま」という言葉が生まれたとも言われています。
仏教用語として生命を頂く有り難さへの感謝と、それを用意して下さった方々への感謝も込められている言葉であるのはないでしょうか?
ここで、四天王と曼荼羅からカラダのシステムとも連動させましたので、更に広い視野で宇宙全体のマクロコスモスまで引いて見ると三千世界とその柱とも言える須弥山というヒンズー教から仏教へ引き継いだ世界観があります。
ヨーガの世界では須弥山はカラダでは背骨やスシュムナー管の事を表すとして現在でも世界観が残されているようです。
三千世界(三千大世界)は万葉集にもあり、明治以後にも詩歌の中に登場する単語です。マニアックなものでは大本教の文献によく出てくる単語とか。
昨日記事で西王母をご紹介しましたが、西王母が三千年に一度咲く桃の花を表すことから、西王母を三千世草(みちよぐさ)、三千歳草(みちとせぐさ)、あるいは三千草(みちくさ)という季語として漢詩などにも表現されます。ミチクサって私達からすると面白い表現ですね。
説明が非常に難しいので以下二つのサイトのものをお借りしました。
なかなか詳しく書かれたものがないんです。
仏像愛好倶楽部(BAC): 今月の学習会は「須弥山世界と四天王」
仏教を守る四人の最強守護神・四天王 其の一│沖縄県那覇市の密教護摩祈祷、祈願寺
話題にあげながらなんですが、
最初の二枚ね写真から私達の日常的に使われている言葉の要素も結構ありますよね。
三枚目が須弥山のつくりがわかりやすいかもしれませんね。
須弥山の頂上は仏教では帝釈天(梵天)、古代インドではブラフマー(創造主)又はインドラ神
その下の階層に帝釈天の部下にあたる今回の主役の四天王、古代インドではここにシバ神など戦いの神が方位ごとにいます。
これが仏教が広がって行く間に密教のなかで曼荼羅として平面的にシンプルに表現されるようになったのでしょうか
須弥山の中心地ともいえるチベットでも例外なく密教として須弥山を曼荼羅で表現されています。
それもダライ・ラマ自身の手で制作されて神聖なものとして集まってくるものに光を与えているようです。
… | ダライ・ラマ法王14世日本公式サイトダライ・ラマ公式サイトより
美しいですねー!
韋駄天の話からだいぶミチクサをくってしまいましたが、
これが古代の人がイメージした宇宙(三千世界)の構造で、現在でも私達の生活に知らず知らず根付いています。
韋駄天の馳走は味わえましたでしょうか?
日常の触れるものの原点を知ることは、未来のライフスタイルをデザインするヒントにもなります。
気になる部分があれば是非楽しいミチクサを
来年の大河ドラマは麒麟がタイトルに。こちらも改めて眺めてみたいですね。
今回のテーマ「韋駄天」はいかがでしたか?
新しいタネの発見につながっていったらうれしいです。
タネ屋のマル
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丸山 泰弘
薬剤師、健康・レストランのコンサルタント
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