こんにちは
生活のタネをお届けするタネ屋のマルです
今日も私見たっぷりのタネをお届けします。
ん?ニャンニャン?ですよね〜
夏の祭りシーズンに入り、祇園が気になる時期でアジアの山車や山鉾を見ていたら、中国にニャンニャンという表記が何度もあり、何?と思い、よ〜く見てみると、どうやら山車に乗っている神のことらしい。
チョット面白いので、中華圏へ行ったりする時に一つ楽しむタネが増えるかも〜
ということで備忘録として
ニャンニャンは漢字で「娘娘」
ニヤンニヤン【娘娘 Niáng niang】
かつて中国で行われた民間信仰の女神。娘娘の語は,もともとは母,高貴な婦人,皇后などの意に用いられた。この女神は,天母娘娘(泰山娘娘),聖母娘娘(天后娘娘)を最上位に,その配下にそれぞれの職掌ごとに種々の娘娘があった。子授けや出産をつかさどる送子(生)娘娘・子孫娘娘・催生娘娘,母乳が出るようにしてくれる奶奶娘娘,眼病を治してくれる眼光娘娘,天然痘を治してくれる痘疹娘娘・天花娘娘,幼児の魂を入れ換える偸生娘娘,発財や出世・長寿をつかさどる財福娘娘など多様である。世界大百科事典 第2版の解説
中国の聖人と言えば、古くは仏教・儒教・道教、どれをとっても男性社会のヒエラルキー的性質が強いため日本人の私には女神というイメージがなかなか湧かない。
でもよく考えてみたら、意外に多いのをおもいだしました。
観光で馴染み深かったり、私達の文化にも影響していたりすると思われますね。
今回は私達にも馴染みのある三娘娘(ニャンニャン)を挙げてみます。
女媧(じょか)


上の左のような絵が多く見かけられます。
伏犠(ふっき)と兄妹または夫婦として描かれます。
性は風、名が女媧
北極星・北斗七星・コンパス・定規を持ち蛇身人首の姿で描かれます。
下の伏犠が天地創造し宇宙の理(ことわり)を示すのに対し、女媧は天地を修復し人間をつくった存在ともされています。
西洋で言うのノアの箱舟的にひょうたんの船で生き残った存在とも言われます。
八卦(はっけ)を示した存在でもあるので日本人には占いの原型をつくった神、娘娘と言ったらいいのでしょうか。
日本で言えば、古事記に登場するアマテラスとスサノオの様な役割でしょうか。
雛祭りの原型がアマテラスとスサノオとも言われているので何となく似た感じもします。
因みに伏犠は
伏犠(ふっき)
伏羲は、黄帝・神農などのように古代世界においてさまざまな文化をはじめてつくった存在として語られる。『易経』繋辞下伝には、伏羲は天地の理(ことわり)を理解して八卦を画き、結縄の政に代えて書契(文字)をつくり、蜘蛛の巣に倣って網(鳥網・魚網)を発明し、また魚釣りを教えたとされる[2]。書契や八卦を定めたことは、黄帝の史官蒼頡によって漢字の母体が開発されたとされる伝説以前の文字に関する重要な発明とされる。漢の時代に班固が編纂した『白虎通義』によると、家畜飼育・調理法・漁撈法・狩り・鉄製を含む武器の製造を開発し、婚姻の制度を定めたとある。
伏羲は、八卦を河の中から現われた龍馬の背中にあった模様から発明したと易学では伝承されており、これを「河図」(かと)と呼ぶ。易学の書物である『易経』も、著者として伏羲が仮託されている。
ウィキペディアより
媽祖(まーそ)
こちらは観光で見かけた事がある方が多いのでは?
私は台湾とマカオで見たのを記憶しています。
日本でも横浜にあるようです。
媽祖は航海や海に関わる事にご利益があるとしていたこともあり、海に面して媽閣廟が建てられている事がおおいようです。
台北では観光でも皆さん行くであろう龍山寺の奥の中心には媽祖が祀られています。


媽祖は宋代に実在した官吏の娘、黙娘が神となったものであるとされている。黙娘は建隆元年(960年)、興化軍莆田県湄州島の都巡林愿の六女として生まれた。幼少の頃から才気煥発で信仰心も篤かったが、16歳の頃に神通力を得て村人の病を治すなどの奇跡を起こし「通賢霊女」と呼ばれ崇められた。しかし28歳の時に父が海難に遭い行方知れずとなる。これに悲嘆した黙娘は旅立ち、その後、峨嵋山の山頂で仙人に誘われ神となったという伝承が伝わっている。
媽祖は千里眼(せんりがん)と順風耳(じゅんぷうじ)の二神を脇に付き従えている。この二神はもともと悪神であったが、媽祖によって調伏され改心し、以降媽祖の随神となった。
ウィキペディアより
中華圏の海側では特に大事にされている神・娘娘という事が改めて認識しました。
西王母(せいおうぼ)


ウィキペディアより
さて、西王母ですが、もしかするとあまり知らない方も多いのかもしれません。
しかし、この西王母は私達の文化などとも関連深い存在と言えます。
西王母は甲骨文字の時代から語られてきている存在の様です。
時代を経る毎に表現され方が変わってきているのですが、
辞書などでは、古代中国の仙女または女神とされ。
崑崙山(こんろんさん)に住むとされています。
先ずは、象徴的な部分から見てみます。
西王母の肖像の右下の写真を見てください。右上に三本足のカラスがいます。
中国では古代から三本足のカラスを太陽の象徴としています。
西王母は名前の如く、中国の西の聖山にすむ神です。
東から昇り西に沈むように毎日カラスが西王母の食事を運ぶと言われていて、肖像の中にカラス(金鳥)が描かれる事があります。
私達からすると「八咫烏」のことですね。


中国の西は崑崙山脈があり、その下にチベット、さらにヒマラヤ山脈があり、インドの古代の思想から仏教まで、ここを三千大世界の中心の須弥山と位置づけていたので、中国から見たら西は世界の中心という見方も出来そうです。
西王母にはもう一つ「桃」の象徴があります。
前漢の武帝に、西王母の庭に三千年に一回だけ実るという桃があり、長寿を願っていた武帝にその桃の実を与えたとされています。
「桃」も陰陽五行思想では「西」を司る金性を表します。三千年に一度と言うところは須弥山のある三千大世界と重なり面白いですね。
チベットには観音菩薩の生まれ変わりとされるダライ・ラマが代々いた場所とみると、西方浄土という要素も感じられます。
この「桃」とその生命力、「西」の要素が陰陽五行思想で構築されているのが『桃太郎』です。
西の桃・猿・トリ・犬がきびだんご(桃=百=餅)これらが力を合わせて鬼退治へ。
元々の物語はお婆さんが桃の実を食べると若返り子供を授かったというものですが、若返りの果実として表現されてます。中国でいう生命の樹の実(西洋ではりんご)
この桃が少しこっけいに描かれているのは、
私達にもお馴染みの「西遊記」
この物語の序盤が桃園が舞台になっています。
蟠桃会(ばんとうえ)は、中国神話に登場する天界の瑤池に住み最高位の女仙・瑤池金母(西王母)の伝統的な聖誕祭(3月3日)である。この頃は陰気が最も強くなる時期とされる。
瑤池金母が主催する、長寿と富貴を象徴する宴会として知られ、「蟠桃勝会(ばんとうしょうえ)」、「蟠桃大会(ばんとうたいえ)」や「蟠桃宴会(ばんとうえんかい)」など異名を有す。その名の通り、神仙(神々と仙人達)が蟠桃を食する会である。
上級の貴仙や神族が天界の瑤池に集う。この時は、若くて美しい女仙の麻姑が、霊芝を醸した美酒を瑤池金母に捧げるために、祝いにやって来る。
蟠桃園には、三千六百本の桃の木があり、手前の千二百本は、三千年に一度熟し、これを食べた者は仙人になれ、中ほどの千二百本は、六千年に一度熟し、これを食べた者は、長生不老が得られ、奥の千二百本は、九千年に一度熟し、これを食べた者は天地のあらん限り生き永らえるとされる。
ウィキペディアより
孫悟空と猪八戒が、この九千年に一度実をつけるという大切な桃を勝手に食べてしまい、八卦炉に封じられ、焼き殺されそうになりますが耐え抜き、体が鍛えられたが煙に弱くなった・・・とか。
ここから三蔵法師のお供をして天竺に、、、
3月3日の長寿の宴とみると私達の「桃の節句」の引用にもなっていそうですね。
更に、7月7日の七夕の織姫の原型ともいわれています。
なんだか上げていくときりがない程ですね。
西王母は想像以上に私達の文化に浸透してきている感じがしてきますね。
ちょうどこれから桃のシーズンになってきます。桃を食べる時には西王母を思い出してみて下さいね。
実はこな娘娘たちは以前の記事にも登場していたのをおもいだしました、、、
今回のテーマ「ニャンニャン」はいかがでしたか?
新しいタネの発見につながっていったらうれしいです。
タネ屋のマル
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丸山 泰弘
薬剤師、健康・レストランのコンサルタント
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