こんにちは
生活のタネをお届けするタネ屋のマルです
今日も私見たっぷりのタネをお届けします。
先週、沖縄県の島の塩を見学に行ってきました。
ちょうど雨の隙間に当たり天気も外出時は良く製塩の行程をしっかり見学できました。
今回はほとんどの人が中の知っているかもしれない
「ぬちまーす」
そしてメジャーではありませんが、もう一軒
「高江洲製塩所」
この二ヶ所です。
製塩所は昨年千葉県の所へ伺いましたがそれ以来の見学。
沖縄県は製塩所も多数で販売されている塩の種類だけでも200種類を超えると言われている製塩のメッカとも言える場所かもしれません。
その一歩めの訪問に新旧のアプローチが見れたのは良かったので一部ですがご紹介します。
「ぬちまーす」は自分で真似する事は出来ないのと、ミネラル比率が普段手に入る塩としては唯一海のまま全てというものですので、健康に関わる仕事の私としては化学的側面から非常に重要な塩になります。
一方、「高江洲製塩所」は、海水が塩の原料になる世界でも珍しい国の狭く限られた環境だからこそ出来た、地政学と文化と歴史において重要な製塩方法になります。
二ヶ所は隣の島ですが、すぐ近くで、ほぼ同じ水質の海水を使っいます。
この場所は海水浴所が近くになく、生活排水もなく、黒潮の流れが早い場所に面していることから砂浜の海水も常に綺麗な状態を維持していられる事が塩の原料になっているようですね。
因みに、黒潮は千葉県銚子沖まで日本の海岸を沿って流れているので、少し親近感が湧きませんか?
太平洋の海の幸と合わせたいですね。
<ぬちまーす>
発明家が作った塩、いわば発明品ともいう塩
蘭の栽培をしていた社長が自ら発明していた温室管理の水分調整システムを塩作りに応用して世界で唯一の最新の塩を作り出しました。
海水を結晶化させるのは簡単に感じますが、沢山の成分がそれぞれ違う温度で結晶になる為、海のバランスのまま一つの結晶に閉じ込めるのか非常に難しいのですが、霧にして結晶化してしまう事でそれを可能にしています。
海の成分が全て入っている証拠に、この塩は湿気があると固まりやすい弱点があります。他の煮詰めて作る塩は、吸湿性の強いにがり(マグネシウム)と石灰(カルシウム)を分離してしまうので吸湿性は少なくなります。
大まかに言ってしまえば、にがりが入った塩と思うといいでしょうね。
マグネシウムが沢山入っている事から、入浴の際カラダを洗ったり入浴剤として使うと暖かく感じます。粒子が細かいのでクレンジング力は高いですね。
個人的には高血圧等で減塩をしたい方はこちらを先ずおススメしたいですね。
販売されている減塩用の塩はカリウムが半分入っている為体調によっては腎臓などに負荷がかかりやすくなってしまいます。
にがり成分も入ってますので豆乳に入れればお豆腐ができます。実際にやったら出来ました!
味もマイルドで仕上げに振りかけるには便利な塩です。
見学は随時やってます。ただ観光バスが頻繁にくるのでタイミングがよいと丁寧に説明が聴けそうですよ。
ぬちまーすの建物のすぐ横が展望がよく取水の海水が綺麗で流れが早いのも見ていると分かりやすいです。
高江洲製塩所のある島から見ると、
写真の奥の島の右側にの突端の崖の上にぬちまーすの工事があります。
検品している様子
<高江洲製塩所>
こちらは伝統に電気や機械の技術が入ってきた頃から自然の力を有効利用した戦前の技術がベースとなっている製塩方法をとっていて、手作りの温もりの要素と自然の要素が感じられる製法になります。
取水は目の前の海で満潮の時のみとか
第一段階の海水の濃縮が特徴
棚に竹が沢山かけられていて、海水が上からポタポタ垂らしていくうちに乾燥した風により徐々に濃縮していくという装置です。
電気とモーター技術が生まれてから出来るようになった技術です。
世界の製塩は、地下の古代の海の結晶である岩塩、又はウユニ塩湖のような湖から取れる塩、または海水を塩田に引き込み蒸発させ塩にする塩のどれかになります。
しかし、現代の日本にはそんな広大な土地や地下の岩塩はありません。(因みに古代の海水は日本のような火山国では温泉水になっていますので、それはそれで贅沢な話です)
日本は縄文時代から土器に海水を入れて煮詰めて塩を作り、現在も最終工程は殆ど釜で煮詰めて仕上げるものという世界のなかでも特殊な塩を持っているんです。(海外の人に日本の塩をいろいろ味わってもらうのもお話が盛り上がりそう)
高江洲製塩に話を戻すと、
沖縄の気候の問題として夏は台風などあり海水の濃縮が難しい為、冬の乾燥した時に集中してつくるようです。
結晶ができるギリギリまで濃縮された海水は工場内の大きな平釜に移されゆっくり煮たてながら水分を抜いて最後塩とにがりに濃縮されていきます。
現在の日本で地域で小さな工房としての製塩所はこれに近い方法をとっているところが多いので、ある意味、伝統的でスタンダードな基準となる塩と言えそうです。
といっても、味や中身は最後の仕上げによって大きく変わってきます。
味は、塩味というだけでなく、海水の多様な成分の化学変化により苦味・酸味・甘みなど感じ方は様々になりますので、いろんな塩を試す際に基準になりそうです。
高江洲製塩所は、観光客にも嬉しい塩づくり体験ができます。
濃縮された海水を石鍋で煮詰めて結晶にします。
二人で並んで同じように作ってみたのですが、出来上がりの味が全く違いびっくり!楽しさと奥深さを経験できます。
高江洲製塩所のある浜比嘉島は沖縄開拓の祖と言われる神話とお墓が残されていて、島の雰囲気も昔の沖縄の名残を沢山残されている為、外国人が沢山でした。夏は混みそう、、、
食事処も非常に美味しいです。
後記
海・塩・潮というのはわたしにはわからないことばかり
震災から8年ですが、潮の満ち引きというのは私達の想像が及ばないものであるのはこの時改めて実感しました。
皮肉なことに、日本に製塩技術を教え、タケミカヅチとフツヌシを導いた神と言われる神が座す塩釜近辺が震災の震源地になってしまうとは、、、
近いうちに慰霊も込めて塩釜の地を訪ねてみたいと思います。
今回のテーマ「沖縄の製塩」はいかがでしたか?
新しいタネの発見につながっていったらうれしいです。
タネ屋のマル
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丸山 泰弘
薬剤師、健康・レストランのコンサルタント
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@taneyakumaru