こんにちは
生活のタネをお届けするタネ屋のマルです
今日も私見たっぷりのタネをお届けします。
花粉症をこじらせる前に知っておきたい事「その3」
花粉症を東洋的視点のモノサシを使ってみる方法もあります。
これは、こじらせたものをもとに戻すというより、こじらせやすい体調になっているかカラダの声や気象をキャッチした時に使いやすいモノサシになります。
勿論治療としても素晴らしいものですが、例えば働きながらその症状が徐々に静まっていくのをゆっくり待てる方は少ないのではないでしょうか。
花粉症だけで仕事を休むのは現実的ではないですからね。
現象と連動する東洋視点
東洋的視点の一つの特徴は気象や気候と連動している観点があるため、季節の現象とカラダの現象を同じモノサシを使えます。
花粉症は季節の現象の一つですので、その視点から入って参ります。
先ず、これを書いている3月6日の上空を眺めてみると
春の典型的な「移動性高気圧」と寒気と暖気の狭間からできる低気圧が交互に日本上空を通過します。
写真は気象庁の天気図とearth :: 地球の風、天気、海の状況地図より引用
10日間の携帯アプリ予報でも気圧の上下と雨と表示はしませんでしたが、風が強い日が多いですね。
お天気レーダーアプリより
このような事から、2月後半からそれまでの乾燥して気圧の変動が少ない気象条件から一転、
「風」、「熱」、「湿」の要素が上空にも、私達の日常空間にも入り込んできます。
湿度が上昇するので体感気温も数字以上に暖かく感じやすいですね。
一方で風が強く吹いていますので、カラダは風を受けます。
急に体感気温がさがってしまったり、その前に暖かく緩んだカラダの表面から寒気も侵入してきます。
この辺りが、今の時期の基本的な天空とカラダ空間と地上環境の現象と言えますね。
陰陽五行のモノサシ
陰陽五行のモノサシでカラダと環境を見ると上のような図がよく出てきますね。
「春」は、五行では「木性」、方角で言えば「東」、色は「青」、カラダでは「肝臓」「胆嚢」、性質は上へ上へと「上昇」するものです。
ストーリー的にみれば、
冬から春に変わると、「気象」は東から太陽が昇るかの様に夜から朝に切り替わり曙どき、雨や雷が落ち、大地が目覚め、タネから芽が上へ上へと目指し上昇してきて、緑(青)が出てきます。
「カラダ」では、 気温が上昇するにつれ、思い(希望)が目覚め、一歩踏み出そうと動き出し、動くと全身に栄養を送る為肝臓が活発になり血は巡り始め、気も巡る。気は中で温められ上へ上へ昇っていきアタマに溜まってきます。
本日よりちょうど「啓蟄」
虫も土から顔を出してきます。
春先は、ふわふわしたり、のぼせてしまったり、もっといくと血が上ってしまったり、
感情的には怒りが立ち上がったりイライラしたりしてしまう事もありませんか?
これは「木」の典型的特徴で「肝」の暴走ですね。
漢方だと抑肝散という名前の通り「肝」を抑えるものがあります。感情がつき上がる様な時はこれが非常によく効くようです。
体感でのぼせ感やアタマにくるような状況を感じてきたら「肝」の暴走を知る事ができそうですね。
証を読む
上の内容の延長になりますが、
気温上昇からと肝の活動でカラダの中の「熱」と「湿」が増していきのぼせます。「肝」の出口は「目」で目が痒くなりますね。
この湿熱がこもって緩み始めたところに気象のところの「風」により寒気が入り込み、鼻に症状が出て鼻水で冷えを追い出そうとしてきます。
肝(カン)の目の痒みに対して、寒(カン)の鼻水というところでしょうか。
易経64卦のモノサシ
易経は解説が難しいので前の情報と連動しやすいキーワードでご紹介。
春の雨と雷はまさに40番の「雷水解」。雪山が溶けて水に流していきます。
内面のシコリの解きになります。
そして次の山沢損は怒りを抑える示唆。見えない内側の問題
次の風雷益は風神(風)雷神(雷)のイメージで春の中旬であり「木」の象徴になります。見える外側の現象。
陰陽五行の背景にある世界観と言えますね。
アーユルヴェーダのモノサシ
易経の「雷水解」から東洋的に広く眺めてみると、
アーユルヴェーダのモノサシもリンクしてきます。
アーユルヴェーダでは、春のこの時期は「カッパ」という体質が活発になってバランスを崩しやすくなります。
大まかな特徴としては、
胸から上が主な場所です。
性質は、「水」+「地」で重さを与えてカラダを安定させます。外から守る(対応)します。免疫や粘膜などが密接に関わります。
性質は、冷たく・重く・個体・遅い・粘りなどがあります。
更に湿気に弱い特徴があります。
また、新しいものを取り入れず、安定して現状維持しようとします。
これらの特徴は上の全てとリンクしていますね。
雷水解で雪山が雪解けしてくる流れと同ようにみえます。
これらを組み合わせてみると、
例えば、
ヨガでカラダの向きを上下左右にして気血を自力で全身に巡らせるように「動き」を作りながら塊りや現状維持しようとすると頑固さを解きほぐしていく必要がある事が見えてきます。太陽礼拝のポーズだけでも気の上下で分散させてアタマに昇ったものを下降させてくれそうですね。
並行して内側の凝り固まった感情の怒り・罪悪感・後悔・恐れ・悲しみなどもほぐして流していくというように見えてきます。
イニシエの叡智というものは面白いものですよね。
花粉症において東洋的視点は環境とカラダを観察するのに向いているモノサシになります。どうやって治すか?というより今の状況を確認する術としてみてはどうでしょう。
春は、温まるにつれ凝り固まったモノを「動き」ながら流して循環していく事が花粉症をこじらせない一つのポイントとして見えてきます。
逆に、外側も内側も過去の塊からの抵抗からくるカラダ声を聞きながら丁寧にゆっくりときほぐしていってあげる絶好のタイミングともいえます。
特に湧き上がる感情を見つめてみたいですね。
今回のテーマ「東洋的視点」はいかがでしたか?
新しいタネの発見につながっていったらうれしいです。
タネ屋のマル
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丸山 泰弘
薬剤師、健康・レストランのコンサルタント
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