薬剤師が語る 生活のタネ

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ヘルス・リテラシーの難しさ

こんにちは
生活のタネをお届けするタネ屋のマルです
薬剤師と健康やレストランのコンサルタントしてます。

今日も私見たっぷりのタネをお届けします。

〜今回のテーマは「ヘルスリテラシー」です〜

リテラシーという単語はこの10年ほどいろんな所で見かける言葉ですね。
メディアや書籍以外にネット上で大抵の情報は見れるようになってきました。更にSNSでその情報の拡散力は爆発的中なものになってきましたので、社会生活の中で自らを防衛するための抵抗力として必要性が益々叫ばれるのは当然の流れですね。
私も現場で患者さんや買い物の方々と毎日話している中でどうしてもこの問題が出てきてしまいますね。
とは言ってもです。ヘルスリテラシーは非常に難しい点が多いです。
今回は医療に於ける治療というプロセスの中のリテラシー
日常の中の予防や健康増進の中でのリテラシーを考えてみます。

先ずは今回のテーマである「ヘルスリテラシー」ってどんな感じでしょう?

ヘルス・リテラシー(health literacy)とは、健康面での適切な意思決定に必要な、基本的健康情報やサービスを調べ、得、理解し、効果的に利用する個人的能力の程度を意味する[1]。医療リテラシーとも称される。
ヘルス・リテラシー - Wikipedia

最終的には個人の認識と選択に至るプロセスが重要という事なんですね。

ここでよく浮上してくるのが、エビデンスという概念や研究論文になりますね。
最近TVに医師がよく出るようになりましたが、その時の解説の中に
「〜の論文の中に〜に効果があったという研究結果があるんです」とか
「〜年度の一般の方を対象にした調査で〜を食べている方が〜というデータがあります」

といったような表現がよく使われているのをご存知ですか?
これがその内容を説明している医師にとっての根拠となる情報(論文)であったり、エビデンスに繋がる根拠であったりするものになります。

特にTVでは不特定多数の方が見ているのでこのような情報を添付する事が信用に繋げたり防衛するのに非常に大事なものですので、日常の診断では伝えてはいないこのような情報を使いますね。


ここで私達は、現場で年中エビデンスや論文に触れながら仕事をしているのですが、
私個人の見方としては、メーカーが宣伝用で持ってくる情報の背後にある論文やデータは、そのメーカーに都合のいい情報だけを抽出したり、その情報を引き出すために研究したり、見せ方として有効性を感じる見せ方をしてきます。当たり前のことですね。もちろん悪い情報ではありません。
だから、情報は否定しませんが、鵜呑みにすることはないです。
別の角度で眺めたり、リスクなどを模索します。
論文は1年も経てば別のデータが出てしまい意味を成さないものが非常に多いものです。

でもこれを一般の方が見ると、これは凄い!となってしまうので危険ですね。
また、年輩の方には〜病院の先生が言っているのだから間違えはないとか、
このメーカーは知っている会社だから信用できるといった感覚の方が多いのです。
それぞれが信頼のある実績があるからなのですが、接する側は安心から依存に偏る傾向があります。
そのため治療の過程で、目の前の情報を出され自分の意思で決めてと医師から伝えられると怒ってしまう方や解らないと放棄してしまう方が非常に多いのが治療を困難にさせてしまいます。
日本は健康保険で良い意味で守られてきた反面、情報化社会になって、自分で選択しなくてはいけなくなると混乱してしまいますね。だからちょっとした風邪でも、依存傾向がある方は大学病院へ行ってしまう方が多いように見受けられます。私だったら大きい病院へは紹介されたり必要な検査でもない限り行かないかもしれません。


現在、科学では、カラダについて非常に細かなところまで解明され10年前の情報と比べると驚くほど情報が変わってきています。また、栄養などについてもより詳しくわかってきました。
とは言っても、
薬や栄養も含め健康や病気の仕組みは厳密には解明されていなく、〜データからこうであると仮定や推測の域をでないことの方がまだまだ多いのです。
なのでこの数年過去の理論を覆すような新しい情報が次々と発見されてきています。
でもまだカラダや薬の作用を明確に示すのは無理な状況なんです。
薬でもどうやって効果が出ているか?どうして副作用が出ているか?と全てを説明できるものは存在しませんね。

とはいっても、医療ではリスクがない治療は存在しません。
なので、より安全で、より信頼できる治療でありながら、効果も最大限出していきたいのが患者さんや私達の共通の目的でありますので、エビデンスは重要な要素ですね。
ただ、治療方法も多岐に渡り、ツールや治療の内容を自分で選んで行かなくてはいけなくなってきます。この時はリテラシーを発揮して自分自身の価値観と、医療機関の出来ることに折り合いをつけていく作業がひつようになります。


一方で、自分をより健康にしたい!という願いがある場合は少し視点を切り替えなければなりません。
健康や予防は、より日常的なことで、効果とは関係なく、更により個人的なコトになります。
まずはカラダの異常がない事が大事ですが、健康は情報があっても安全性や信頼性は最後は自己責任になってしまう可能性が高い領域です。
仮に専門家がTVなどで言っていても、健康を考える時は、病気以上に、体質や遺伝的要素、そしてライフスタイルが影響して、これは医療とも重なりますが、ご本人の思考や意思が重要な鍵になってきます。
治療と比較するならば、先ずは自分自身のカラダの傾向や生活習慣のクセなどをしっかり認識して、カラダの声を聞く必要があります。
その上で必要な情報を抽出して自分に合うか検証する為のリテラシーが必要になってきます。
健康に関しては人に与えられるものではなく、自分で作っていくものなのでこの作業が欠かせません。
もっと簡単に言うと、健康は家庭の食卓で作られます。キッチンは薬局の様なものと思っていただければ分かりやすいです。
過程でもレストランでもそうですが、食卓の場が皆さんのカラダを健康にする現場です。
なので健康増進においては、最終的にリテラシーは自分自身に向けられるものかもしれないですね。
治療では外にリテラシーの比重が大きいですが、健康増進では内向きにリテラシーの比重を上げていくことが、豊かなライフスタイルに繋がっていく可能性が高いのではないでしょうか?


今回のテーマ「ヘルスリテラシー」はいかがでしたか?
新しいタネの発見につながっていったらうれしいです。


タネ屋のマル


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