薬剤師が語る 生活のタネ

自分らしいライフスタイルを生みだすためのタネを探す冒険に行こう

越田商店の魂のサバを食べるべし

越田商店

 

サバの干物(文化干し)を長年作り続けている老舗

 

ここには他にはない秘密がある

 

 

見事な包丁さばきであっという間におろしてしまう

骨に沿って、見事としか言いようがない

何故なら骨に身が残らないのだ

 

それだけではない、

更に驚かされるのが漬け汁

 

作り始めた時から毎日手入れしている漬け汁だ

なまものを漬ける繊細な液体

となると当然毎日毎日丁寧に塩を足し温度管理して保管する

一日でも放置したらアウトだ

この緊張感のある毎日をもう約50年も続けている事になる

信じられるだろうか?この地道な努力を

当然の事ながら、完全無添加である

 

 

一昔前ならば無添加は当たり前だったかもしれない

しかし、現在では販売側の事情もあって無添加販売の干物は店頭に並べるのは勇気もいる

 

このご時世においても、姿勢を変えず真っ直ぐ進み続ることを選んだ家族

この選択は生易しい覚悟では出来ない

取引相手が殆ど無くなるからだ

 

それでも魂を込めて一枚一枚丁寧に作り続けてきた

その姿を見て皆が手を差し伸べてきたのか

それとも魂の込められた一枚に魂を揺さぶられたのか

どちらも食べた者には伝わっている

 

 

本当にうまい

それだけで充分ではないか

 

ただこのサバがうまいと感じるのには

魂が紡ぎだしたものだからだけではない

もう一つ秘密がある

 

 

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発酵食品とも言える越田商店の干物

 

越田商店の干物は発酵食品である

そう言っていいだろう

これがもう一つの秘密だ

 

干物がどうして発酵食品なんだ

とも聞こえてくるが、よく思い出してほしい

50年近く使い続けている漬け汁だ

包丁の匠が生み出す技術で骨髄のエキスも染み出す

魚も常に出し入れされる

そこから高塩分の中でも生息出来る微生物が住み着く

わかりやすく言えば、漬け物のぬか床が出来ている事と一緒だ

 

漬け物も塩揉みの浅漬けと

ぬか床に入れた漬け物では全く別物だ

 

そう、この漬け汁は魚のぬか床であるといってもいい

 

このぬか床がサバを更にカラダと相性を良くしてくれている

 

 

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火を通す事がこれからの発酵食品

 

干物は勿論焼いて食べる

これが発酵食品を食べる時のこれからのスタイルのヒントだ

要は火を通す事

 

発酵食品ならば加熱しないで菌が腸に直接届くのがいいんじゃないのと聞こえてきそうだ

はい、この発言は今の流行りとは逆行しているだろう

 

サバの干物だから焼くのは通常だが

発酵食品だからこそ火を通す

これが特に現代的な生活に向いている

 

何故か

発酵食品は凄まじいほどのパワーを持っている

それは素晴らしいこと

だからこそ流行ってきたのだ

ヘタなドリンクより力がある

しかし、

パワーは時に偏りを生み出す

効果は逆効果を同時に生み出す力をはらむ

 

素材の本来の力をカラダが喜ぶようにするには一つコツがある

そう、火を通すことだ

煮る焼くそれでいい

 

火を通すことでパワーをカラダに通る力に変換される

 

でも死んでしまってはもったいない

なんて考えてはそれこそもったいない

 

実は菌は死んでも腸内でちゃんと役割を果たす力がある

 

それよりも菌を送り込む前にやらなくてはならない事がある

内臓が十全に働けることだ

もし胃が充分な働きが出来なかったらどうだろう

せっかくの素材が単なる栄養素で終わる

 

火を通すことで素材はニュートラルな状態になる

それは効く事ではなくカラダを作ることだ

創造的作業である

 

 

理由はともかく、

このサバは発酵のプロセスを経ている

だから焼いてこそ美味しい

水分が飛んで味が凝縮するだけではない

漬け汁が旨味を引き出し

焼く事でサバの塩焼きとは全く違う風味や味わいを生み出す

全くの別物だ

 

あとは発酵した味噌でつくる味噌汁

そしてご飯さえあれば申し分ない

この火を通す発酵食品の食事だけでカラダは充分なのだ

サラダやデザートすら必要ない

こんな定食を毎日食べれるお店が欲しい

 

越田商店のサバだからあり得る組み合わせだ

 

毎日食べても飽きない

単に美味しいからではない

カラダが喜んで受け取るからだ

カラダが受け取るものは内臓も元気に動く

 

意外に忘れ去られてしまう私達の基本をこのサバは教えてくれた

 

 

ともかくまず食べてみるべし

あとはカラダが教えてくれる

 




タネ屋のマル

 

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丸山  泰弘

薬剤師、健康・レストランのコンサルタント

 

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